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zoom RSS 「『障害者の就労の位相をめぐる考察』への違和感」へのふぐさんのコメントについて

<<   作成日時 : 2005/12/02 05:31   >>

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障害者の就労の位相をめぐる考察への違和感」にふぐさんからコメントをもらった。より正確にいうと、ふぐさんのコメントはぼくに対してでなく、ぼくの記事を読んだ学生へのコメントという形になっている。しかし、それはぼくの感じ方がふぐさんの意図を読めていない証左ともいうか、ふぐさんとぼくとの考え方の違いが明確になる内容になっている。


 まず、ぼくのブログにコメントをくれた学生さんに対して、ふぐさんが
===
「できない」ことは「よくない」ことなのでしょうか。「よくない」とすればそれはどこから生じた価値なのでしょうか。そんな問いの繰り返しから、『「存在の価値」のための規範・倫理』などというあやふやなものが確定してくるのではないかと・・・
===
このように主張している部分に関しては、その通りだと思う。


 その上で、ぼくと彼女の考え方の違いについて考えてみる。彼女が「障害者の就労の位相をめぐる考察」で書きたかったのは
==
対象となる方のできることや能力に目を向けて」という、このまなざしに対する問いかけです。
==
とのこと。「能力に目を向けて」しまうことの危険はもっと強調されなければならないだろう。そして、彼女は
==
「できる」ことでその人の価値の獲得(就労できる、収入を得る)を目指そうとするなら、その人は「できない」ことによって価値を否定されていることになります。
==
と書く。
 確かにこういう一面は否定できない。「できない」ことを「できる」ようにするための「訓練」がこの文脈で正当化される。しかし、それをぼくは「できない」ことに注目する立場ではないか、と思うわけだ。
 ここで問題になるのは、「できる」「できない」ということを「何が」ということを除いて語る問題なのかもしれない。これは、もしかすると立岩さんの問題の提出の仕方にもつながる問題なのか。「何が」ということを欠いて、「できる・できない」を論じることの危険を十分に意識しておかないと、いろいろな間違いが誘発されやすいように思う。。
 また、同時にふぐさんのこの文章は、文脈から切り離して、これだけを提示するとやはりいろいろな問題が気になる文章だ。まず、「価値の獲得(就労できる、収入を得る)」という提出のされかた。「できる」に結びついて得られる価値について、「就労できる、収入を得る」というところだけを突出させること、こういうリンキングが一般的であるからこそ、そうではない価値を含めて「価値」について、考えることが必要なのではないか。
 また、ふぐさんが提示するトレードオフ関係を否定するような形での「できる」ことへの注目ができないのか、という思いもよぎる。「できない」ことは見ないで、そのままの自分で「できる」ことに注目できないだろうか。リハビリテーションの専門家はどうしても、できるようにすることに注目しがちだが、そのままで「できている」ことを見ていくことと、その価値を「できないこと」から切り離して、まず肯定してもいいのではないか。
 もちろん、だからといって、ふぐさんの指摘の重要性は消えるものではない。現実に「できない」ことがよくないとされ、障害者の存在の価値が貶められている。『対象とする人たちの「存在の価値」』を軸にして、問題を立てるときに、「できることをみていくこと」という提起の仕方はとても危険なものだろう。

 自分の中でも問題が交錯して、なかなか整理できないのだけれども、再度、整理することを試みてみる。
 「存在の価値」を軸に問題を立てることは前提。その場合、「できること」に注目するという問題の立て方は「できないこと」がマイナスであるということを誘発しがちであることには注目しなければならない。しかし、一方で、リハビリテーション業界では「できないこと」だけに注目し、できないことを悪いこととして、なんとかしてこようとしてきたという事実に対して、「できている」ことがあることを認めていくという戦略もありえるのではないか。まず、「生きることができている」そのことに敬意を示すこと。「あなたが存在するというそれだけで可能になっていることがあること」を見ていくこと。そこに「できる」「できない」というトレードオフの関係を超えていく可能性をさがすことができるではないだろうか。また、同時に「できない」ことだけに注目され、人として貶められている存在が実際に「できていること」があることを認めていくことも重要なのではない。

 つまり、「できないこと」だけに注目するリハビリテーション業界への対抗のありかたとして、「できる」「できない」という視点を捨てるのではなく、そのまま存在するだけで「できていることがある」という対抗の戦略もありえるのではないか、という問題提起だといえるかもしれない。

 夜中に起きて、昨日から書いてるのの続きを書き始めたのですが、これをアップロードしたら、夜が明ける前にもう一回寝ることにします。


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