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help リーダーに追加 RSS 「もうひとつの世界は可能だ」読書ノート

<<   作成日時 : 2006/08/17 23:47   >>

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もうひとつの世界は可能だ
世界社会フォーラムとグローバル化への民衆のオルタナティブ
 ウィリアム・F・フィッシャー/トーマス・ポニア 日本経済評論社 2003年12月発行、==
その月に購入

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多くの活動家たちは、WSFをあたかも新しい政治主体であるかのように語る。しかしそれは政治主体ではなく、学んだりネットワークを作ったり、政治的な組織化を行ったりすることを可能にする、教育的・政治的空間なのである。・・・審議体ではなく、どのようなオルタナティブが提起されていて、どのようにそれが実行されているかについて、活動家たちが学ぶ教育空間である・・・。・・・世界社会フォーラムがネットワークづくりの場を与え、共同の計画を発展させる政治的空間であることは明らかだが、そこから生まれた計画がWSFの名のもとに実行されるということはけっしてない・・・。・・・公式文書はつくらないし、・・・・WSFの意思を表明した唯一の文書は・・原則憲章だけである。17p序論結語

過去20年の新しいかたちの社会運動
1999年・・に始まる時代は若く新しい戦闘的なグループ(アナ・反スウェットショップ・反バイテク・平和・人権)とたたかう労働者、いわゆる「新しい社会運動」とが合流して、・・・お互いに関係を持つようになった新しい画期である。1994年のチアパス・1999年のシアトル、・・・・WSFの創設、これらすべては、バラバラに行われてきた新自由主義に対する一連のたたかいが、一体化することを促した・・。
これらの出来事は、旧左翼、新しい社会運動、そして最新の急進主義の波を「グローバルな正義と連帯を求める運動」、主流メディアが不正確に「反グローバリズム」運動と言い表す、地球規模での多様なネットワークによるひとつのネットワーク(a planetary network of networks)へと連結していった。

記録文書・・・は運動内部の・・・差異と収斂のポイントの両者を明らかに・・。私たちは2002年のWSFの記録文書にあらわれている5つの重要な議論に注目する。
● 革命か改良か
  差異のいくつかは、イデオロギー的であり、「革命か改良か」という、よく知られた左翼の議論の範囲内にあるものである。この種の討論のなかで最も知られた政策表明はIMFの「権利剥奪」(de-commisioning)を求めるいくつかの運動体により、よびかけられることで登場した。他方、IMFその他の・・との交渉の重要性を説く主張がある。

● 環境か経済か
  差異の第二の領域は、成長や消費を減速させることを求める環境主義者たちと、さらなる成長と雇用創出を求める労働者の要求との間にある。・・・・、あるいは生命系民主主義(Living Democracy)(シヴァ第二部8章(1))か人間中心主義かということで枠づけることができる。


● 人権か保護主義か
  差異の第三は、労働運動それ自身のなかに・・。北の労働運動が、国際貿易や投資協定のなかに人権基準をとり入れるべきだと要求することは、南の労働者にとっては、保護主義の口実と受け取られることが、しばしばある。その一方で、北の労働運動は南が具体的な取り決めを行うことを拒否するとき、彼らの人権問題へのかかわり方に疑問を持つのである。(第一部6章(2))

● 価値の普遍性か
  ・・・4点目は、西欧的な価値と普遍的な価値との関係にかかわる論争・・。・・・西欧的な価値を普遍的に受容することに対するオルタナティブは、文化相対主義なのか。あるいは、多様性を促進するグローバルな価値を発展させる、新しい包摂プロセスを確立することはできるのか。どうすれば、普遍的諸価値は、周辺化された経験を承認しつつ構成することができるのか。(第四部27章)

● ローカルか、ナショナルか、あるいはグローバルか


こうした差異にもかかわらず、さまざまな運動はいくつかの合意点で統一されている。20-23p

WSFの記録文書は、オルタナティブの豊かな多様性を、提供してくれる。・・・それぞれの差異を持つ反企業グローバル化運動が収斂するところは、ビジョンの成果を共有することよりも、そのプロセスへの参加を共有することにある。26p


さまざまの潮流の強調点
社会主義者は経済に強調点を置くので新自由主義グローバリゼーションの本質を資本主義のグローバリゼーションと定義する。アイデンティティ・グループ(文化多様性)(人権的・民族的・性的な同一性に準拠した運動。普遍性に対して差異を、統合に対して分離を強く押しだす。)は、消費主義に強調点を置くので、グローバリゼーションを、アメリカ的「マックワールド」の植民地的拡大であると定義する。エコロジストは、テクノロジーに強調点を置き、したがってグローバリゼーションをリスクの拡大とみる。このような異なった分析は、お互いを排除することはない。しかし、おのおのに・・。特定の対処法と解決法を持っている。・・・三者すべてが同意しているのは、画一的な経済政策、文化的な実践、およびテクノロジーのリスクがグローバルな空間を横断して押しつけられている、という確信である。
・・・すべての運動は、世界の民衆の要求に応えることになるであろう「下からのグローバル化」」という新しい民主的なプロセスを求める点について、一致している。こうした必要は、まさに運動の敵の反民主的な性格ゆえに、焦点となるのである。
 対抗する相手を明確化すると同時に、運動はまた、何に向かってたたかうのかを、明らかにしなければならない。それは、運動が想像し、産み出し、そして体験することを望む社会とは、どのようなものかということである。・・・考えるべき中心的な疑問は、世界を横断するさまざまな運動の多様な目標をお互いに縫い合わせる共通のビジョンを、どの程度想定しているのか、これらの記録文書は、新しいグローバルな左翼、新しいグローバル社会の共通の枠組みを提示しているのかということである。ラクロウ=ムフは新自由主義に対する実行可能なオルタナティブは、さまざまな社会運動のオルタナティブが合体した場合にのみ、立ち上げることができると主張している。こうした合体を引き起こすためには、オルタナティブの哲学的、政治的論理の差異(たとえば社会主義、無政府主義、環境主義、フェミニズム、土着性や多文化主義)に、対等の連鎖をかけなければならなくなる。対等の連鎖とはひとつの新しい考え方であり、運動の多様性を認めつつ、さまざまな運動の根本的な目的が相似性を持ち、原則や政策、手続きをアーチ状に覆うことを介して実現することができるという認識をもたらすような、ひとつの対抗的ヘゲモニーの言説である。
<ここまではなんとなくわかるような気がするが、以下は?????> 対等の連鎖は、さまざまなオルタナティブのなかのひとつが、すべての運動が直面する挑戦を解決する力があり、すべての運動が求めるような新しい社会を創出することができる、ということを示したときに生じる。たとえば、歴史的に見れば、社会主義は左翼の多様な利害のなかで対等の連鎖を確立した、共通の言語であった。<<このあたりがにわかに信じがたい>>・・・。
 対抗的ヘゲモニーの言説は、つながりのない運動に対して、彼らの個別の問題での長期的な利益は、共通のプロジェクトを追求することによって適えられる、ということを示し、それらを織りあわせる共通の縫合糸を、持たなければならない。それはたんなる抵抗の言説では成就することはない。対抗的ヘゲモニーの言説は抵抗の言説を含みこむ。  24‐6p

 私たちが定義する「民主主義の新たな創造(the reinovention of democracy)」とは、経済の生産様式、政治的ガヴァナンスの構造、科学的革新の普及、メディアの組織化、社会関係および社会と自然の関係が、ラディカルで参加的な生命系民主主義のプロセスに従うような新しい社会の創造を意味している。26‐7p


http://tu-ta.at.webry.info/200604/article_19.html
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 また、それはかつての共産主義インターナショナルのように特定のイデオロギーを持った人々の集まりではない、というのも特徴に加えることができるだろう。「WSFについての初めての書物」と銘打った「もうひとつの世界は可能だ」の編者は以下のようにWSFを定義する。
 「WSFは単一のグローバル市民社会の出現がもたらした、最も新しく、活力に満ち、潜在的に生産的な、接合の場である。フォーラムの到来は、多くの活動家にとって、これまで不可能だったことを可能にするものだった。新自由主義的グローバル化の鎧の裂け目を、新たに暴き出したことによって、運動は、もうひとつの世界は可能であると、主張しはじめた。」 (*13)


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