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zoom RSS 月刊オルタの『闘争の最小回路』書評について

<<   作成日時 : 2007/02/27 06:44   >>

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(いつものことですが、自分用のメモです。まず、わかりにくいことの言い訳から)

月刊オルタ2007年2月号で酒井隆史さんが『闘争の最小回路』(廣瀬純著)の書評を書いている。この書評、単純なぼくにはとてもわかりにくかったんだけど、気になったので何回か読み返した。それでもまだよくわからないところも残る。

この本の意義について、酒井さんは
1、最近のラテン・アメリカにおける大きな変動について、日本のメディアがほとんど関心をよせない中で、よりよくしらせてくれる。
2、その変動を「政権」を軸に書こうとしていない。

という2点をあげ、この2点目の指摘に続けて以下のように書いているのだが、ここがなかなかわからない。
==以下、引用==
本書は、グローバリゼーションへの対抗、すなわちオルタ・グローバリゼーションの潮流に、意識的に棹をさすチャベス、ルラをはじめとしたラテン・アメリカの左派政権の形成と現状の紹介だけにとどまっていない。
==引用ココまで==

ここで、ぼくの理解を超えてしまうのだけれども、この本にはチャベス、ルラをはじめとしたラテン・アメリカの左派政権の形成がオルタ・グローバリゼーションの潮流に、意識的に棹をさすというようなことが書いてあるのかなぁ?
まあ、ルラが棹をさしているという評価はさまざまなところで聞かれる。それと同列にチャベス政権の形成も「オルタ・グローバリゼーションの潮流に、意識的に棹をさ」しているという評価はいままで聞いたことがなかったので、ちょっとびっくりした。

まあ、似たところでは「崎山さんのラテンアメリカ評価(軍縮平和市民7号)」
で、紹介した崎山さんも以下のように書いている。
===
よりよい社会を求め、グローバリゼーション(グローバル資本主義)がもたらすネオリベラル政治に抵抗してきた、多様性を起点におくさまざまな人々の運動や活動が、「反米左傾化」といわれる状況をまた現出させたのである。
 しかし、さまざまな民衆的な運動が冷戦構造下からようやくにして生み出し押し広げてきた自律的で多様な社会空間、新たな自由と平等を求めるための基盤は、今の「戦争」のラテンアメリカ側の陣営である連合や政党間協調、つまり挙国一致をめざす政治のもとで、徐々に切り崩され、国家に回収されつつある。

===

こういうことを指していると思うのだけれども、…。

また、ここで酒井さんが書いていることは
==
本当に「ラテンアメリカ『2つの左派』の対立はない」のか?
==
で紹介したカッセンのルーラとチャベスのいい関係の話にも結果的には適合している。視点はかなり違うんだけど。


ちなみに、この本、ぼくはウェブで紹介されている部分しか読んでいない。
―闘争の最小回路―

月刊ペースで4回連載され、「第5回 取材のために休載 (06/03/20)」と出ていたので、いつ次がでてくるのか楽しみにしていたら、本が先に出て、いまでもウェブサイトにはこの表示がそのまま残っている。

この連載のマイケル・ハートのインタビューについては前にも少し紹介した。
==
ベネズエラのふたつの革命 NHKの番組や「マイケル・ハート・インタヴュー」をめぐって
==

これを紹介したときにはあまり意識していなかったけれども、このインタビューの前書きにも同様のことがちゃんと書いてある。ここも引用。
===
…松籟社から刊行された素晴らしい書物『太鼓歌に耳をかせ』(石橋純著)の帯にも次のような印象的なフレーズが記されています。「80年代から現在にかけて南米の都市下層(バリオ)で起こった文化‐政治‐経済運動を、担い手である住民の視線から、そしてチャベス政権へと併呑される歴史・政治状況のただなかから響きとともに描き出す」というフレーズです。バリオにおけるひとつの社会運動による自律的な実践が「チャベス政権へと併呑される」というのは、いったいどのような事態なのでしょうか。===


といわけで、マイケル・ハートのインタビューを再び読み返してみる。このオルタの酒井さんの書評にはこのインタビューが以下のように紹介されている。
==
民衆レヴェルで繰り広げられている創造的実験について、とりわけ「共同体メディア運動と『ボリバール革命』」と題された章が参考になるが、そうしたもっとも創造的な領域にでも貫通している「自律」と「吸収」をめぐる左派内部のコンフリクトを端的にスローガンとして表現しているのが(中略)マイケル・ハートへのインタビューのタイトル――「自律性は反帝国主義よりも強力な武器だ」――であろう。
==



こんな風に引用の文章をタイプしたり、マイケル・ハートのインタビューを読み返しているうちに、だんだん酒井さんが書評で書きたかったことも見えてくる。

ルラだろうが、チャベスだろうが、そんなことはあんまり関係ないみたいだ。

マイケル・ハートはインタビューに答えて、以下のように言う。
「鍵となるのは、これらの政権が、自律的な社会の展開にひとつの空間を与えるものなのかどうかということだからです。」

酒井さんが国家権力を問題にしないありかたのことをこの書評で書きたかったのは、なんとなく見えていたはずなんだけれども、ルラもチャベスもおんなじかなぁというところで、ぼくはひっかかっていた。というか、「グローバリゼーションへの対抗、すなわちオルタ・グローバリゼーションの潮流」だって、日本ではまだまだ自律的な空間を作ることよりも、「政権」や「行政」の問題に熱心なのだ。ルラやチャベスだけが、棹をさしているわけではないという現実をもう少し明確にしてあれば、ぼくもこの書評にそんなにひっかかることはなかったかもしれない。


まあ、ぼくの理解力が愚鈍だということを表明してるに過ぎないのかもしれないけれども(このブログ全体がそうかも)、それはそれでいい。ぼくはスマートになれない。

っていうか、酒井さんがひっかかる書き方をしてくれたおかげで、ぼくはいろいろ考えることができたことをよしとしようと思う。それも酒井さんの「て」だったのか?(笑)




そして、それでも、ぼくは書いておこう。

「自律的な社会の展開」を形成する運動を日本の社会でどんな風に具体化するのか。自分が生活し労働するコミュニティをどのように自律的なものに移行していくのか。そのけっこうどろどろした部分に言及しないで、中南米のかっこいい運動だけを憧れていてもしかたないんだろうなと思う。

そして、そういう空間を広げていくために首長や代議制の選挙も使えばいい。とはいうものの、選挙の運動はどうしても、当選することだけが目的になりがち。まあ、「当選してなんぼ」っていうところは確かにある。


2月27日夜、追記

PARCの編集の方から、メールもらいました。
一部、勝手に転載させてもらいます。
==
ざっと読ませていただきましたが、まず、「棹をさす」という表現についてここで告白しておくと、私は長いこと棹をさす=“邪魔をする”といった意味ではないかと、誤った思い込みをしてきました。
しかし、正確には

(1)さおを使って舟を押し進める。
(2)時勢・流行にうまくのる。

といった意味であり、その点からすると、ルラよりはチャベスの方が、イメージとしては意識的にオルタ・グローバリゼーションの潮流に「棹をさしてる」と見た方が“一般的”なのではないでしょうか。

==

ぼくも「棹をさす」の意味を勘違いしてました。50年近くも生きてきて、やっぱりこんな間違いをしちゃうんですね。というわけで、上記の文章にはぼくの日本語読解力の問題で混乱してる部分があります。






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