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zoom RSS 「障害とは何か」読書メモ(1)

<<   作成日時 : 2007/07/14 07:12   >>

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星加良司【著】
障害とは何か
──ディスアビリティの社会理論に向けて
生活書院

http://www.seikatsushoin.com/shinkan/newbooks070219.html

上記のサイトから少し引用。
==
「障害=ディスアビリティ」とはいかなる社会現象か?
 障害をめぐる既存の概念装置への再考を目指す、新進気鋭の社会学者による決定的論考!
==
障害とはどのような社会現象なのか? 多くの人が納得してしまいがちな、視力が何々以下だから大変だといった生理学的な障害の定義ではなく、社会現象として障害を捉える立場から、障害を社会的に生成・構築されたある種の不利や困難として描くという大テーマに正面から向き合った精緻かつ誠実な探求。既存のディスアビリティ概念の紹介やその応用ではなく、より適切に障害者の社会的経験を表現するための積極的な概念装置の組み換えを目指す、気鋭・全盲の社会学者による決定的論考。
==

立岩さんのサイトには岡原正幸さんの『図書新聞』に掲載された書評と堀田義太郎さんによる相当長い「紹介と検討」が掲載されている。

http://www.arsvi.com/b2000/0702hr.htm




で、この本をぼくも関東障害学研究会を前にして読み始めた。まだ、読み始めたばかりだが、研究会があるとかのモチベーションがあるので、もう少し読み進むことができるだろう。それにしても、読みかけの本が多すぎ。

いろいろ付箋がついたので、序章まで読んだところで抜書き。

==
障害問題の主要な部分が社会的に生成されたものであるということ(括弧内略)は、少なくとも理論的には・・常識・・。にもかかわらず、問題を「個人化」しようとする言説は、あたかもそうした認識の転換を忘れてしまったかのように繰り返される。・・・。…問題をいったん「社会化」した上で、そのうちのある部分を再度「個人」の側へ引き戻すという考え方は…あるべきだろう。しかし、私が違和感を覚える言説は、そうした経路を経ることなく素朴に障害の問題を「個人化」しようとするものなのだ。いまだにこうした言説が繰り返され、またその傾向が強まりそうな社会情勢にある以上、もういちど障害問題の「社会化」を支える理論構築をしておかねばならないと思った。  6p
==
…社会的文脈において生起する現象として障害を捉えようとするとき、障害の経験とはどのようなものなのか、それは非障害者の経験している社会的現実とどのように同じで、どのように違うのか、といった問いへの回答はいっそう難しいものになる。また、このように考えてくると、「障害」や「障害者」というカテゴリーそのものが、人為的で恣意的な構築物であることが意識されるようになり、それを特有な現象として取り上げることの意義が消失したかのように感じられるかもしれない。しかし、恐らくそれは誤っている。…。「障害者」というカテゴリーがいかに恣意的に設定されたものであろうと、現にそうしたカテゴリー化の機能によって不利を受けている人々にとっての問題や、そうしたカテゴリー化を構造的に作動させてしまう社会の構成原理について問題化することの意義はいささかも失われないし、…。 6〜7p
==
…、本書で行う作業は、既存のディスアビリティ概念の紹介やこの応用ではなく、より適切に障害者の社会的経験を表現するための積極的な概念装置の組み換えということになる。それならば、別の言葉を用意することも選択肢の一つではあるだろう。ただ、ディスアビリティという概念が社会的側面に特化した形で構想されていること、また障害者の経験している現実を特有の社会現象として把握しようという意図を背景に持っていることを踏まえると、やはりこの概念に拘って適切な理論家を図るのが、現状では理にかなったことだろうと思う。
 …結局本書の目的は、ディスアビリティの適切な概念化を行う作業ということになる。 8p
==

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ここでいうディスアビリティとは、主にイギリスの障害分野で用いられている概念で、個体の機能的特質に関わる劣性を表現するインペアメントと区別して、社会的活動に関わる不利や困難を表現するものとされる。 22p
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…本書の議論は、ディスアビリティは解消されるべきである、という命題を前提として始められることになる。さらに、この命題が満たされるためには、ディスアビリティは特有な現象として、また解決可能な事態として概念化される必要がある。この要請は、単に操作的な概念規定によって満たされればいいということでなく、障害当事者のリアリティに接近する中から導き出されるものでなければならない。 23p
==

我々はまず、そうした実感に寄り添おうとするところから始めるべきだらう。

「障害者の生活は確かに楽になったよね。(中略)そういうなかで、確かに地域で暮らす障害者も増えているだろうし、障害者と健常者が一見分かり合えているように見えるよね。でもさ、違うと思う。長い間運動してきたけど、まだ根本的な問題は解決していないと思うよ。永久にクリアできないかもしれない」(横田 2001:227-8) 31p
==
本書における障害の概念化は、基本的に身体障害を想定してなされている。…知的・精神障害に関してもその論旨が基本的な部分で妥当するものであると考えている。しかし、(理由の部分略)と考えられていることを踏まえ、現時点でそれらの障害カテゴリーを包括する枠組みとしてディスアビリティ理論を提示することには慎重であるべきだろうと考えており、その意味では議論の射程を限定している。32p
==

さて、これから第1章を読み始める。

立岩さんのサイトに掲載してある岡原さんの書評の結語部分に深く納得できる序章までの展開だった。
岡原さんの書評の結語部分を以下に引用
==
「社会学に何ができるか」と真っ向から問う著者の姿に僕は感動する。著者は、社会学的な言葉や概念が純粋な認識行為ではなく、社会を構成する行為でもあること、その点を認め、その点に社会学をすることへの期待を寄せている。社会学的な思考とその表現が当の社会の再編にもつながるという指摘はもちろん目新しいものではないが、星加さんの紡ぎだす言説が感動を呼ぶのは、そこに彼の責任意識を見るからである。言説が社会への介入であるならば、その介入の良し悪しを決めるのは、まずは言説主体の誠実さと責任感以外のなにものでもないだろうと思うからである。
==

ここまでで、ぼく自身のコメントはまだなかなか書けない。

さて、読み進む中で、このところ個人的に障害者ラベルを乱発してきたぼく(インペアメントを伴わないコミュニケーション障害の例参照)は、自らの考えを変えることになるだろうか?こんな風にメモしながらだと、なかなか読み進むことができないので、どうしようか思案中。





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