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zoom RSS 「障害とは何か」読書メモ(4)

<<   作成日時 : 2007/09/03 00:21   >>

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この本で決定的に重要なのが社会モデル批判だろう。

ここまでの読書メモでそのことに触れていなかったので、やはりそこには触れざるを得ない。
もちろん、星加さんは社会モデルの価値を認めていないわけではない。そのことはこの本の読書メモの(2)
http://tu-ta.at.webry.info/200707/article_17.html
でも少し触れている。

その社会モデル批判が端的に表現されていると思われる部分を抜書き。


105p
===
・・・。
 以上のことから分かるのは、「個人モデル」も「社会モデル」も現象の一面をデフォルメして、まさに「モデル化」しているということである。「個人モデル」の場合それは無自覚的な「見落とし」ないし、抑圧的な関係性を維持・固定するための「隠蔽」であったかもしれないし、「社会モデル」の場合「個人モデル」ヘゲモニーを転換させるための戦略的な「強調」であったかもしれない。しかしいずれにせよ、「社会モデル」もまた、ディスアビリティを個人の属性とは無関係な社会の問題だとすることで、それが置かれてきた文脈に焦点をあてることができなくなっているのである。実際には、不利益は社会の障壁(のみ)によって生じるのでも個人の機能不全(のみ)によって生じるのでもないはずだ。駅の階段がディスアビリティとして経験されるのは、車椅子使用者がいるからでも、そこに階段しかないからでもなく、車椅子使用者と階段の関係、車椅子使用者と階段を上って移動することに意味があり価値があるような社会との関係、そしてその階段を自力で上れる人とそうでない人との関係において、その階段を上れないことが不利益として感じられるからである。このように考えると、不利益の原因を二元論的な図式において把握しようとするアプローチは、認識論としての妥当性を欠くものであることが分かる。

===


駅の階段と車椅子使用者の例は単純なのでぼくも使ってきた。
ここで書かれていることは、否定しようがないような気がするが、何か腑に落ちないものが残る。

ぼくなりに、もう少し考えてみよう。

東京では80年代から「駅にエレベーターを」という運動があり、ぼくもそれに参加してきた。その段階では鉄道会社も行政も「それはできない」と答えることができた。その状況が90年代から2000年代初頭にかけて劇的に変化してくる。(少なくとも、身近にあるJR大森や蒲田が変わったことが、ぼくの印象を強くしている。)社会が駅にエレベーターを設置することを可能にしたということもできる。誰もが使用できるエレベータが設置されることで、駅の階段に関して、それがディスアビリティと感じられることはなくなった。

「障害者だから、駅が使えないのはしょうがない」という価値観が転換した。「障害者が駅を思うように使えないのはおかしい」という価値観が結果として認められるようになった、ともいえる。(この「結果として」というのは、まだそれは不可逆的な変化とまでは言えないのではないか、という危惧を表現している。)

つまり、エレベータが設置されることで、解消できたと思えるような単純な問題について、その解消へ至るプロセスは「個人モデル」から「社会モデル」へという説明が可能なんじゃないかと思うわけだ。それをあえて、星加さんがいうような複雑なプロセスを持ってくる必要はないように思えるわけだ。

従来、「個人モデル」しかなかった時代に(「個人モデル」という理解も「社会モデル」が生んだのだが)、「しょうがない」とされてきた問題が「社会モデル」を導入することで解決する、そのような単純な問題は少なくないように思えるし、そこでは、問題をあえて、複雑で難しくする必要もないように思える。ただ単純な「社会モデル」だけで解けない問題も確かにあるだろう。それはそれとして考えればいいじゃないかと思うのだけれども、どうなんだろう。

 そんなことを、いま、思いついた。


 また、この問題にも関連する星加さんのユニバーサルデザイン批判にもふれたかったが、疲れたので今日はここまで。




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