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zoom RSS 「生き延びるための思想」の読書メモ2 (この本のタイトルについて)

<<   作成日時 : 2007/09/08 15:21   >>

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「生き延びるための思想」(上野千鶴子著)の読書ノート1
この作成日時が 2006/05/16になっている。もう1年以上も前だ。先日遊びにきた双子の孫が本棚から引っ張り出して散らかしてくれたので偶然手にしたこの本。メモを続けて書いてみよう。

 成長や開発や発展をめざす思想ではなく、「生き延びるための思想」が求められていると感じる。一人ひとりが食べて生きていくこと、尊厳ももって生きていけること、そのための思想と行動が求められている。もしかしたら、成長や開発や発展も、「一人ひとりが食べて生きていくこと、尊厳ももって生きていけること」を求めていたと思われるかもしれない。いまでも、そう考えて「開発」に関わる人は少なくないだろう。それが開発・発展の旗印でもあった。(現実にはその旗印の下にさまざまな酷いことが行われてきたのだけれども。)

 いつのまにか、開発・発展それ自体が目的になっているようだ。とりあえず、目的をもう一度、「一人ひとりが食べて生きていくこと、尊厳ももって生きていけること」というところに置きなおす作業が必要だと思う。そのためにはもう、開発とか発展とかいう言葉は使わない方がいいはずだ。使うとしても、ヘレナさんやラミスさんが提唱している「対抗発展(カウンター・デヴェロップメント)」というような使い方でしかないように感じる。

 そういう意味で、「生き延びるための思想」そして、行動が必要なのだと思う。

以前、
栗原彬さんのサブシステンスへの言及
作成日時 : 2006/05/10
というエントリーを書いたとき、その結語にぼくはこう書いている。
==
上野千鶴子さんは昨年暮れに出た本に「生き延びるための思想」というタイトルをつけた。あえて、サブシステンスというような言葉を使わなくても、それでいいのか、とも思う。
==
まあ、サブシステンスという言葉から見えてくるものは、まだまだ少なくないので、それはそれで必要なのかもしれないが。

 また、立岩さんが立命館大学で始めようとしている生存学というのもこれに近いものがあるかもしれない。治療やリハビリではなく、「生きて在る」ことを前提にする学問の体系。(主旨の一部は末尾に引用)


この本のタイトルから触発されたことだけで、こんなに長くなってしまった。

この本に少しだけ戻ろう。

「はじめに」で上野さんはこんな風に書いている。

===
 フェミニズムは女には力がある、女も戦争に参加できる、と主張する思想のことだろうか? アメリカのフェミニズムは女の男なみの戦争参加を求めてきた。だが、もしフェミニズムが、女も男なみに強者になれる、という思想のことだとしたら、そんなものに興味はない。わたしの考えるフェミニズムは、弱者は弱者のままで、尊重されることを求める思想のことだ。だから、フェミニズムは「やられたらやりかえせ」という道を採らない。相手から力づくでおしつけられるやりかたにノーを言おうとしている者たちが、同じように力づくで相手に自分の言い分をとおそうとすることは矛盾ではないだろうか。フェミニズムに限らない。弱者の解放は、「抑圧者に似る」ことではない。
 戦争を含めてあらゆる暴力が犯罪だ、と言うことができなければ、DVすら解決することができない。そしてもし、DVをなくすことに、わたしたちが少しでも希望を持つことができるなら、国家の非暴力化に希望を持ってはいけないだろうか。 G〜Hp
===

「生き延びていく」、「生きて在る」ことを軸にものごとを考えようとしたときに、現在の支配的な世界秩序を転換させることが、その先に現れてくるように思えてならない。




以下、立岩さんのサイトから部分引用
http://www.arsvi.com/a/200702.htm
==

「生存学」創成拠点
―障老病異と共に暮らす世界へ―

[拠点形成の目的]

  人々は身体の様々な異なりのもとで、また自分自身における変化のもとに生きている。それは人々の連帯や贈与の契機であるとともに、人々の敵対の理由ともされる。また、個人の困難であるとともに、現在・将来の社会の危機としても語られる。こうしてそれは、人と社会を形成し変化させている、大きな本質的な部分である。本研究拠点は、様々な身体の状態を有する人、状態の変化を経験して生きていく人たちの生の様式・技法を知り、それと社会との関わりを解析し、人々のこれからの生き方を構想し、あるべき社会・世界を実現する手立てを示す。
  世界中の人が他者との異なりと自らの変容とともに生きているのに、世界のどこにでもあるこの現実を従来の学は十分に掬ってこなかった。もちろん、病人や障害者を対象とする医療や福祉の学はある。ただそれらは治療し援助する学問で、そこから見えるものだけを見る。あるいは、押し付けはもう止めるから自分で決めろと生命倫理学は言う。また、ある型の哲学や宗教は現世への未練を捨てることを薦める。しかしもっと多くのことが実際に起こっている。また理論的にも追究されるべきである。同じ人が身体を厭わしいと思うが大切にも思う。技術に期待しつつ技術を疎ましいとも思う。援助が与えられる前に生きられる過程があり、自ら得てきたものがある。また、援助する人・学・実践・制度と援助される人の生との間に生じた連帯や摩擦や対立がある。それらを学的に、本格的に把握する学が求められている。その上で未来の支援のあり方も構想されるべきである。
(略)

[拠点形成計画の概要]
(略)

■V このままの世界では生き難い人たちがどうやって生きていくかを考え、示す。政治哲学や経済学の知見をも参照しつつ、またこれらの領域での研究を行い成果を発表しつつ、より具体的な案を提出する。◆民間の活動の強化につながる研究。現に活動に従事する学生を含め、様々な人・組織と協議し、企画を立案し実施する。組織の運営・経営に資するための研究も並行して行い、成果を社会に還元する。◆実地調査を含む歴史と現状の分析を経、基本的・理論的な考察をもとに、資源の分配、社会サービスの仕組み、供給体制・機構を立案し提示する。◆直接的な援助に関わる組織とともに政策の転換・推進を目指す組織に着目。国際医療保険の構想等、国境を越えた機構の可能性を研究、財源論を含め国際的な社会サービス供給システムの提案を行う。

===




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