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「モリー先生との火曜日」ミッチ・アルボム著(1998年NHK出版) 先日、ゲストスピーカーとして参加した授業のレスポンスシートで、学生から紹介してもらった本。取り寄せて、読んでみた。 ALS患者のモリー先生の肺が機能しなくなって、亡くなる直前まで行われた個人レッスンの話。 本のカバーの裏にはこんな風に紹介してある。 ==== スポーツコラムニストとして活躍するミッチ・アルボムは、偶然テレビで大学時代の恩師の姿をみかける。モリー先生は、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されていた。 16年ぶりの再開、モリーは幸せそうだった。動かなくなった体で人とふれあうことを楽しんでいる。 「憐れむより、君が抱えている問題を話してくれないか」 モリーは、ミッチに毎週火曜日をくれた。死の床で行われる授業に教科書はない。テーマは「人生の意味」について。 ==== いい本だと思う。ただ、人工呼吸器をつけないという選択の問題と訳者あとがきを除いて。 まず好きな部分から === 「そう、一つにはね、われわれのこの文化が人びとに満ち足りた気持ちを与えないっていうことがある。・・・。文化がろくな役に立たないんなら、そんなものはいらないと言えるだけの強さを持たないといけない。自分の文化を創ること。 === 「この国では一種の洗脳が行われている・・・物を持つのはいいことだ、・・・何もかも多いほうがいい。・・・それをくり返し口にし・・・聞かされ・・・ほかの考えを持たなくなる」。 === いろいろなところで、昔から、語られ、書かれているような話でもあるけれども、マスコミからの圧倒的な情報量を前にして、やっぱり欲望は喚起され、必要以上の物やお金も持ちたくなる。(なかなか持てないけどね) ALS患者のモリー先生の講義は「確かにそうだよね」という説得力をもつ。そう、そういう心の問題は確かにある。 「でも」と、やはり考える。 確かに自分の心のありようを考え直すことは大切。こんな本を読むこととか、いろいろな気づきをきっかけに、「ろくに役に立たない文化」におぼれそうな自分を変えたいと思ったりして、多少の努力はしてみる。 ただ、それだけではなかなか変えられない。それほどに、その洗脳のシステムは強力だ。だからこそ、その洗脳のシステムを裏返していくようなプロジェクトが必要なのだろう。社会を変えようというプロジェクトの中に自分を投げ込み、その中でまた、自分の心のありようを考え直したりすることが大切なんだと思う。社会運動の中で、ぼくの、そして仲間の価値観も、支配的な文化の価値観から自由ではありえない。 で、この本を読んで違うと思った点 ひとつは彼が人工呼吸器の装着を受け入れないところ。足が動かなくなり、次に手や腕が動かなくなり、肺まできたら「・・・おしまいさ」とモリー先生はいう。だけど、それはおしまいではない。人工呼吸器を装着して豊かに生きている人は増えている。それをつけたから、自己表現ができなくなるなんてことはありえない。しかし、現実にはそういう選択肢が排除される場合があまりにも多い。呼吸器を装着する生は一段低いものとみなされ、あるいは装着したまま自宅で生きるという選択肢も示されず、構造的に呼吸器が選択しにくい状況がつくられる。結果としてALS患者は死に追いやられる場合が少なくない。モリー先生が呼吸器を選択可能だったかどうかは、この本には書かれていない。しかし、人工呼吸器を装着した豊かな生があるという選択肢があることは隠されたまま、彼は死を迎えることになる。 もうひとつは訳者あとがきの曽野綾子の援用。 彼女が人権の審議会に参加して、愛が語られなかったということを問題にする文章を引用して、訳者はそれを賞賛する。そこで、彼女が果たしている役割は明白だとぼくは思う。それは愛を語ることで、人権が保障されるべき人の存在を見えなくすることではないか、その審議会の内容も、そこでの彼女の役割も知らないので、正確なことは、なんとも言えないが、一貫した彼女の政治的ポジションはそこにあるとぼくは思っている。だからこそ、愛を語ることは危険だということが、ぼくには逆説的に明示されて、よかったのだが。 上記の記事が「面白いかも」って思ったら、この下にある「人気blogランキングへ」というのをクリックしてください。 人気blogランキングへ クリックしてくれた人数のランキングです。クリックするとランキングのサイトに飛び、うんざりするような排外主義ブログのタイトルの山を見ることになります。こんなランキングに登録するバカバカしさを感じないわけでもないんですが、・・・ でも、クリックしてもらえるとうれしかったりもします。 人気blogランキングへ |
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ていうか火曜日ですよ。 |
eij 2008/01/04 21:49 |
あらら、失礼 |
tu-ta 2008/01/05 07:34 |
直します |
tu-ta 2008/01/05 07:35 |
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