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zoom RSS 「だれか、ふつうを教えてくれ!」読書メモ

<<   作成日時 : 2008/01/12 08:19   >>

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「だれか、ふつうを教えてくれ!」
倉本 智明 (著) 理論社 2006年
ちょっと知り合いの倉本くんが一昨年出した本。いままで読んでなかった。

帰省して、1月3日、東京に戻る途中、バスを降りたところにある梅田の紀伊国屋で購入。ここは大阪っていう連想で倉本くんを思い出したんだけど、彼はいま中央線の住民でこんなブログを持ってます。あんまり書いてないけど。
おっとせいは中央線を降りて


新幹線の中で読了。某、巨大SNSで知り合った人子どもの作文に触発されて、この本のことを思い出した。

時間がちょっとたったけど忘れないうちにメモしておこう。

おびコピーには、
===
ふつうっぽく見られたい。でも、なにが ふつうか、わからない。
目で見る。自分の足で歩く。それってあたりまえ、といわれる社会で、ぼくたちが気づかないでいることはなんだろう。いつか出会う誰かを思いうかべながら、「障害」をとおして、常識やルールのなりたちをゆっくり、とことん考えるための手引き。
===
とある。
http://tactac.blog.drecom.jp/archive/493
から借りました。)


こども時代の草野球の話から、この本は始まる。
弱視の倉本くん(当時)にあわせたルールを友だちが考えてくれて、彼も草野球に参加できるようになる。同じようなエピソードを「五体不満足」で乙武さんも書いている。乙武さんがこのルールについて「『あたりまえ』と受け止めていた」という言葉でこのエピソードの紹介を締めくくっているのに対して、倉本さんは「ここで、このエピソードを閉じることができません」と書く。
 「せっかくみんなが考えてくれたルールではあったんだけど、実際にやってみるとこれがかなりつまらないものだったんですよね」ということなのだ。彼はそこから「共生」の話を始める。この変化球(もしかしたら、直球)がぼくは好きだ。

==
ふわふわとしたイメージだけで、「共生」を語ること、内実を問うことなく安易に「共生」を見いだすことで覆い隠されてしまうものが出てくる。 34p
==
と倉本さんは書くのだが、けっこう複雑なことを複雑なまま、かつ平易な言葉で伝えようとすることの大切さっていうのがあるんだと思う。
(けっこう平易じゃない部分もあるっていうことは「タカマサのきまぐれ時評」のこの本の紹介に書いてあった。)

重度障害者と軽度障害者の違いの例え話も、こんな風に説明できるっていうのは面白かった。
===
 多くの人たちは重度障害者と軽度障害者の関係を、大きなりんごと小さなりんごのようなものだと考えてきました。(略)
 けれど、本当はそうではありませんでした。重度と軽度の関係は、大きなりんごと小さなりんごではなく、りんごとバナナのようなものだったわけです。 101p
===

ま、それ以上中身の紹介はしないけれども、弱視と全盲の違いの話とかも意外と知らない人が多い話だし、障害の問題を語るときの入門書がいろいろある中で、ぼくが知ってる限りではいちばんいい本だと思う。


で、あとがきで、倉本さんはこんな風に書いている。
==
 多くの人たちが「ふつう」であると見なしている事柄のなかには、前提とするものがそもそも偏っているために、一部の人たちに不利にはたらいたり、どんなに努力しても決まり事を守ることが困難であるようなものがたくさんあります。
 だから、「ふつう」と見なされている事柄についても、もう一度じっくりと吟味し、それがさまざまな特徴をもつさまざまな人びとの存在を可能な限り考慮したものになっているかどうかを検討したい。その上で、もし偏りが発見されたなら、その解消法について考えていきたいというのが、この本でぼくが主張してきたことです。
===


理論社のYA(ヤングアダルト)新書っていう、ちょっと恥ずかしい名称もあるシリーズで、シリーズの名称としては「よりみちパン!セ」よいうのが大きく出ているけど、「中学生以上すべての人の」と書いてある。
大人が読んでも十分面白いとぼくは思う。
(この「よりみちパン!セ」のラインナップ、気になる本がいくつかある。そういえば、小熊英二の「日本という国」、去年フリマで買って途中まで読んでそのままになってたのをいま思い出した。)



んで、この本について、ただ持ち上げるだけで終わりたくないという悪い性癖で、気になる点も指摘しておきたい。

倉本さんは参加について
===
 遊びに限らず、なにかに「参加する」ということは、「ただそこにいる」ということとは同義ではありません。
 いま目の前で進行している事態に、自分がなんらかの影響をおよぼし、またおよぼされる位置に立つということ、そこから得られるよろこびや興奮、そして、時には失敗がもたらす苦しみの感情を、他の参加者とおなじだけの可能性でもって味わうことができてはじめて、本当の意味で「参加した」ということができます。
 そのような意味での「参加」がすべてのメンバーに保障されていなければ、「共生」が実現したということができません。 31p
===
と書く。確かにみんながこんな風に参加できるといいと思うし、そのことはできるだけ追求されるべきだろう。しかし、どんなにがんばっても、客観的には「ただそこにいる」ことしか出来ない人はいると思う。その人が「ただそこにいる」こともまた「共生」という観点からは大切なことだと思う。そのことの価値はもっと書かれてもよかったんじゃないかと思った。


それから、ちっちゃなことかもしれないけれども、「あとがき」が緑のインキで印刷されている。これは老眼のぼくにはちょっと読みにくかった。ぼく以上に読みにくい人もいるんじゃないかなぁ。




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