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<<   作成日時 : 2008/02/26 05:06   >>

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前のエントリーでこんなことを書いた。

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 そして、オルタナティブの提示と抵抗運動をどのように有機的に結び付けていくのか、このあたりにぼくはとても関心があるのだけれども、最近の山本さんの記述は、このあたりのことにとても慎重になっているようにも見えるが、(って、山本さんの仕事をちゃんと追いかけているわけでもないんだけど)
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このブログを読んだ知人から、山本さんが、最近これに関連することを、図書新聞(2008年2月2日)の書評で書いてると教えてもらった。(感謝、Hさん)

書評している本は『グローバルとローカルの共振』人文書院


こんな書き出しだ。
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 本書の問いは、評者にとって大きな共感を呼ぶものである。というのも、ネグリとハートによって展開された<帝国>論の重大な問題が、「メタファーと理論に多大なる信頼を寄せ、その反対に議論の経験的妥当性の吟味を体系的に怠っていることに関係している」(ジョヴァンニ・アリギ)とすれば、その知的怠慢を補おうとする意欲的な試みだからである。
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その本書の問いのエッセンスは「先住民を資本のグローバリゼーションに対抗するもうひとつの主体として、すなわちマルチチュードとしての潜在的可能性を秘めた存在として位置づけることは可能か」「アイデンティティの多様性を認め、トランス・ナショナルな公共圏を創出するような新しい選択としてのグローバリゼーションを促進するような存在として、先住民を理解することはできるか」という「はしがき」の文章に凝縮されていると山本さんは書く。

<帝国>に、こんな批判があるということは初めて知ったのだけれども、そう言われてみたらそんな感じだなぁと思う。まだ、全部をちゃんと読んだわけじゃないんだけど。


ともあれ、山本さんはこんな風にこの本の問題意識を持ち上げた上で、同時に読後の違和感も大きかったと書き、その理由をふたつあげる。
1、資本のグローバリゼーション VS もうひとつのグローバリゼーション(主体はマルチチュード)という分かりやすく魅力的だが、あまりに単純化された構図が、先住民世界で生起している今の現実をどれだけ正確に把握しているのか、疑問に思う。
2、問いに対する山本さんの暫定的な答えが、本書ほど楽観的でないから。

その内容について、この書評記事で書かれていて、フェアトレードに関する記述とかも、とても興味深いのだが、とりあえず今日紹介するのはサパティスタとマルチチュードに関する記述。

「先住民がいかにしてマルチチュードになるかについて、一言したい」と書いたあとで、山本さんはぼくが先日このブログで勝手に転載させてもらった神奈川大学評論の論文に言及して、自分が「サパティスタをマルチチュードとして語ったことがあるが」と書いた上でこの本の第1章「マルチチュードの可能性――サパティスタ運動のローカル性とグローバル性」(柴田修子)から正しく分析されているとして以下を引用する。「サパティスタをマルチチュードの実践例と評価することも可能であろう。しかし、それは表面的な評価に過ぎない。それによってかれらの運動が規定されるわけではない。」という部分だ。山本さんはこのことを十分認識しなければならない、と書く。

そして、「サパティスタ研究者として付言するならば」として、こんな風に書く。
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先住民がサパティスタやマルチチュードとして単独かつ自動的に立ち上がったのではなく、そこにはマルコス副司令官なり左翼都市ゲリラなりの「媒介者」が必要であったという点である。
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これに続けて、山本さんが注目している日本語では先住民権利センターとされるNGOについて紹介して、結語部分でこんな風に書いている。
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先住民がマルチチュードとしての潜在的可能性を十全に発揮するには、このような中間組織もしくは媒介者の存在が不可欠と思われ、本書にはそのようなNGOの詳細かつ実証的な分析が決定的に不足している。
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おそらく、山本さん自身がこのあたりのことを最近の研究領域としている故に、でてくる評価なのだろう。自分の研究領域に参照しうる分析の不在を残念がっているのだと思う。このあたりのことはぜひ山本さんに書いてもらいたいというのがぼくの希望だ。(もう書かれているのかもしれないが。)


ぼくが気になるのはマルチチュードという分析の方法が社会運動を進めていくうえで、どんな風に役に立つのかということだ。確かにナショナルな権力をめざすことをゴールに設定してもだめなんだよということが<帝国>という問題設定にはあるのだろう。それをローカルなマルチチュードの運動がリゾ−ム状につながることで、侵食していくというようなイメージなのだろうか。

<帝国>読書会の課題はけっこう多い。


追記:これをアップした後に思い出したんだけれども、中村尚司さんは「よそもの」が入ることの大切さというようなことをどこかで書くか話すかしていた。「越境する工作者」っていうようなのもどっかで読んだことがある。昔のPCのハードディスクに何か記録が入ってると思うんだけどなぁ。(現在、アクセス不能)





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