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<<   作成日時 : 2008/02/09 05:58   >>

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『スモール イズ ビューティフル再論』読書メモ その3

50pから始まる仏教経済学というエッセイ(1968年)について

(ビルマのような)「仏教国は、現代経済学のモデルを使って経済開発計画を立てることが可能だと考えている」とシューマッハは書く。ソ連崩壊以降の世界ではいわゆる近代経済学以外の経済学はほぼないように扱われている感じもある。
いまだに世界中どこでも開発経済学が必要というふうにされ、近代経済学者が跋扈している。

その上で彼はこんな風に書く。
「現代の物質主義的な生活様式から現代経済学が生まれたように、仏教徒の生活様式が仏教経済学を要求することに思いいたっている人は見あたらない」と書く。ここで、シューマッハが何を指して「現代経済学」と言っているのか、厳密にはわからない(英文にあたろうとも思わないし)。ま、雑誌に掲載されたエッセイなので厳密さはそんなに問われないし、言いたいことはだいたいわかる。

シューマッハが40年以上前のビルマで見た物質主義にそんなに犯されていない暮らしは、たぶん都市部では変わっているだろう。しかし、広範な農村部ではまだ残っている部分もあるかもしれない。このあたりのことがどうなのか、ということがかなり気になる。イヴァン・イリッチは西欧の価値観が支配する近代を経過する必要のない地域がまだたくさんあると30年くらい前には書いていた。現在、どこまでそう言えるのか。西欧的な近代的価値観を回避して、新しい時代を展望することのできる地域がまだ残っているといえるのかどうか。
シューマッハはこのエッセイでは経済学の方法論の論議ではなく、「基本的な問題をとりあげて、それを現代経済学から見た場合と、仏教経済学から見た場合とで、どのように違うか眺めてみよう」とする。

まず、最初に「労働」が俎上にあがる。その冒頭には、こんな風に書かれている。「富の基本的な源泉が人間の労働であるという点については、だれしも異論はないところである」。

これが書かれた当時の認識はそうだったのかもしれない。しかし、この前提自体を疑うことが必要になってきているように思う。この考え方事態がマルクスを含む近代の経済学に強く影響された考え方であるようにも思える。「富の基本的な源泉」は本当に人間の労働なのか、だとしたら自然をどう見ればいいのか。

ともあれ、この先でシューマッハが言いたいのは別のことだ。この問題はちょっと横において、シューマッハの話を聞こう。
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現代の経済学者は「労働」や仕事を必要悪ぐらいにしか考えない教育を受けている。雇い主の観点からすれば、労働はしょせん一つのコストにすぎず、・・・、たとえばオートメーションを採り入れて、理想的にはゼロにしたいところである。労働者の観点からいえば、労働は「非効用」である。働くということは、余暇と楽しみを犠牲にすることであり、この犠牲を償うのが賃金ということになる。 51p
==

それに対して、「仏教的な観点からの仕事の役割」をシューマッハは以下のように整理する。
==
それは少なくとも3つある。
・人間にその能力を発揮、向上させる場を与えること
・一つの仕事を他の人たちとともにすることを通じて自己中心的な態度を棄てさせること
・最後に、まっとうな生活に必要な財とサービスをつくり出すこと

この考えのもとでは、

仕事が労働者にとって無意味で退屈で、いやになるような、ないしは神経をすりへらすようなものにすることは犯罪すれすれである。それは人間よりモノに注意を向けることであり、慈悲心を欠くことであり、人間の生活のいちばん遅れた面にやみくもに執着することである。同じように、仕事の代わりに余暇を求めるのは、人生の基本的な真理を正しく理解していない。その真理とは、仕事と余暇は相補って生という一つの過程を作っているものであって、二つを切り離してしまうと、仕事の喜びも余暇の楽しみも失われてしまうということ。

これは内山節が観察している「仕事」と「稼ぎ」の関係にも通じるのだろう。


しかし、女性についてのシューマッハのここでの認識は68年というこれが書かれた時代を反映しているように思われる。まだ、フェミニズムがそのように名づけられる前のものだ。いまならこんな風に無邪気に「女性は家庭」というようには書かなかっただろう。


とりあえず、55pまでの読書メモ。このエッセイは50p〜63pだから、まだ半分に満たない。


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