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zoom RSS 「〈帝国〉とポストコロニアリズム」(浜邦彦)メモ 10/07ちょっと追記

<<   作成日時 : 2008/07/29 04:34   >>

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今日、やっと気流舎の〈帝国〉読書会が最終回を迎える。
(番外編はやりたいと思っているが読むのは今日が最後)

そして、先週の月曜日に訳者の浜さんが話にきてくれた。漫然と聞いていたぼくは、そこで何が話されたのか、ほとんど覚えていないんだけれども、そのとき、配布された現代思想の特集<「帝国」を読む>に収録されている表題の浜さんの文章をいま読んだ。わずか6ページのコラムだが、読み返してみると、けっこう面白い。

(これを書いてから約3ヶ月後(10/07)この文章がWebで読めることを知りました。
http://homepage2.nifty.com/~islands/articles/empire.html )


あまり頼りにならないぼくの解釈だが、ものすごくおおざっぱに言ってしまえば、要は〈帝国〉とポストコロニアリズムをその切断という視点からみるのではなく、継承という視点から見ることが問われているということのようだ。

とりあえず浜さんは〈帝国〉を大づかみに以下のように説明する。
===
『〈帝国〉』の元になっている発想はいうまでもなく、構成された政体(constitution)の支配体制の中に、それがもともともっていたはずの構成する力(constituent power構成的権力)を見分けていくという戦略であり、この後者を現在の状況の中でもう一度洗いなおし、対抗的な勢力として接合しなおすという努力である。
===

この〈帝国〉を内破するというような戦略がポストモダニズムやポストコロニアリズムの戦略と大いに共通しているした上で、浜さんはその違いを説明し、問題意識の共通点を指摘する。それをこんな風にまとめている。

===
・・・。「ポストモダン理論とポストコロニアル理論の価値と限界を認識することは、このプロジェクトにおける最初の一歩である」と彼らは言う。
 ・・・、ネグリ=ハートはポストモダニズムやポストコロニアリズムの批判の方法が重要な提起をなしえており、近代的主権と決別するための批判的感受性を発展させることを承認している。問題は、その方法によって捉えられるべき「敵」を見誤っていることだ。 
===

そして、ポストコロニアリズムの戦略は失効したのかという問いを立て、それに答えようとする。そして、まず、その前提として、「近代主権から〈帝国〉的主権への「移行」を問題にする。

現在のというか、9・11以降の状況を見て、合州国が〈帝国〉としての姿を現しつつあるのと同時に帝国主義の凶暴さもまたむき出しにしている、つまり
==
現在の世界に現れているのは〈帝国〉と帝国主義のある種の二元性(デュアリズム)であって、この二元性を理解するのが重要
==
で、その理解のためにも〈帝国〉が役に立つと書いている。

そして、結語でこんな風に書く。
===
・・・、ポストコロニアリズムは、すでに過去のものとなった帝国主義の亡霊に引きずられているだけの、息苦しく近寄りがたい一部(ローカル)のエリート趣味というレッテルを払拭して、その諸概念をさらに練り上げ、批判の矛先を〈帝国〉にまで向けることによって、マルチチュードの希望を語る言語となりうるだろうか? 結論めいたことを言うのは早すぎるだろう。少なくとも、〈帝国〉は暗澹たる未来としてわたしたちの頭上に覆いかぶさっていると同時に、そこを通って別種の世界が現れるチャンスとしても存在しているはずである。
===


ま、難しいことは本当によくわからないし、そんなにわかりたくもないんだけれども、ポストコロニアルな視点は植民地主義がもたらした現在を考えていく上で有効な視点だと思う。そして、〈帝国〉が指し示す方向が本当に正しいかどうかなんてわからないが、現在を考えていくための数少ないグランドセオリーとして、それを承認するにせよ否定するにせよ、それを見ていくことで自らの視角が明確になるような本ではないかと思い始めている。うんざりするような難しい言葉がいっぱいでてきて、とても一人では読み通せなかったと思うが、そういう意味では読書会のテキストとしてはけっこう優れているのではないかと思うのだった。




んで、浜さんのこのコラム、本筋と離れて面白かったのがポストコロニアリズムが学生や院生と「周縁的な」運動を結ぶ回路を準備したという指摘。そう、運動近辺に大学院生が増えている背景には知的ワーキングプアの問題と同時にそういう思想的背景もあったのか。



ついでに感想の追記
ポスコロか帝国かとかいう二者択一なんて、やっぱありえないとぼくは思う。そういう部分では浜さんに共感できるんじゃないかとも思う。



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白熱する竹島問題を出来る限り軍事的に考えてみる。
保守系のブログを巡回していますと竹島問題についてのエントリーが多いですなあ。 教科書の記述で問題になっているのは分かりますけれどもどうも過熱気味な様な気も 致しますし韓国にも困った物ですが。日本の外交上は毎年「竹島は我が国の領土だ」 と主張し続け、「文句があるなら国際司法裁判所に出て来い」と言い続けれていくしか ないように思えますね。2ch軍板にも「ニュー速」やら「東亜」辺りからも人が流れ込んで きてるんでしょうけどもスレが乱立気味ですな。少し自重しないといけません。 軍事系のブログ... ...続きを見る
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