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zoom RSS キーワード「受苦」について

<<   作成日時 : 2008/08/13 11:43   >>

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「受苦者のまなざし」読書ノート3

前回も書いたのだけれども、山之内さんがキーワードにする「受苦」とか「受苦者」とかいうのが、どうもわからない。一通り、読んだのだけれどもわからない。

ちょっとその言葉を使っているところを抜き出してみる。
フォイエルバッハが使っているその言葉を山之内さんは引用しているのだが、その前にフォイエルバッハについて以下のように評価している。

(山之内さんはフォイエルバッハの否定と受容という「正反対」のマルクスの態度を紹介した後で以下のように書く)
===
フォイエルバッハの中には、(中略)、人間存在を社会関係において捉えようとする視点が予想外に明示的に現れていたのではなかろうか。マルクスはこの点を敏感に読み取ることを通して、フォイエルバッハを導入口としながら社会科学的な認識の方法的出発点を我が物とし得たのではなかろうか。 178-9p
===


===
 フォイエルバッハを彼自身のテキストに即して読み進めていった場合、しばしば行き当たるのは「受苦(Leiden)」ないし「受苦的(leidend)」という彼独自の言葉使いである。この言葉は、普及している翻訳書では必ずしも一貫して「悩み」「悩むこと」「受苦」という訳語を与えられているわけではなく、時には「受動的」と訳し替えられている場合もみられるので、注意を要する。まず、各所で用いられているこの言葉について、最も代表的と思われる文章の一つを引用しておこう。
「困窮に悩む(notleidend)存在だけが、必然的な生存である。欲求のない生存は無意味な生存である。欲求一般のないものにはまた生存の欲求もない。……困窮のない存在は根拠のない存在である。悩むことのできるものだけが(Nur Was leiden kann)生存に値する。……悩みのない存在(Ein Wesen ohne Leiden)は存在のない存在である。悩みのない存在は、感性のない存在・物質のない存在にほかならない」。179p
===

この文章の中にフォイエルバッハがもっていた人間観の本質があると山之内さんは書き、フォイエルバッハは類としての人間を称えたけれども、個としての人間は受苦的だとする。そして、彼がこのような立場に立っていたからこそ、フォイエルバッハの「人間主義」は人間を最高善として賛美するいわゆるヒューマニズムの立場とはまったく逆に、人間に対して自然を優位させ、自然の一部をなすものとして人間を相対化する自然主義の視点を見失わなかった、とする。

この本質をマルクスも受け継いでいるというのが山之内さんの主張だ。だから、経哲草稿の以下の部分を重視し、以下のように書く。

===
『経哲草稿』の「ヘーゲル弁証法と哲学一般との批判」が明らかにフォイエルバッハを念頭におきつつ、「対象的な感性的存在としての人間は、一つの受苦的な存在であり、自分の苦悩(Leiden)を感受する存在である」とのべ、人間もまた「動物や植物がそうであるように、一つの受苦している制約を受け制限されている本質である」と指摘していたという事実は、見過ごし難いウェイトを持っていることが判るであろう。マルクスはここで、フォイエルバッハの唯物論が内包する経験的で自然主義的な側面をはっきり受け入れていたのである。しかし、この経験論と自然主義が必然的に内包する受動的で非実践的な側面に気づいていたマルクスは、人間のもつ主体的で能動的な側面を方法的に基礎づける必要にも迫られ・・・
===

山之内さんはこのマルクスの複眼的な見方の重要性を説く。

少し、なぜ山之内さんが受苦にこだわるかが見えてきたようにも思う。これまでのマルクス主義が人間が自然内の存在だということをあまりにも軽視してきたからこそ、ここを主張しているのだろう。しかし、自然の中で、その一部として生きるというのは「受苦」という側面があるかもしれないが、そこには「喜び」も多いように思う。どうして、それを「受苦」と呼ぶ必要があるのか。そのあたりがわからないところではある。

とりあえず、今日はここまで




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