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zoom RSS 「No.1レディーズ探偵社、本日開業」昨日読了

<<   作成日時 : 2008/11/02 13:00   >>

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某巨大SNSで知ることになったこの本。
面白い。ボツアナで最初のただ一人の女性探偵が主人公の小説。アフリカ理解の奥行きが深まる(ような気がする)。

作者のあらゆることに複眼的な視点がとても興味深い。

主人公のマ・ラモツエ(マは敬称)について訳者あとがきではこんな風に紹介されている。
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・・アフリカを心から愛する女性で、先祖の教えやしきたりを大切にし、自分たちの民族を誇りに思っている。そして、暮らしに根ざした知恵と真実を見抜く力を武器に、どこか素人っぽい推理で難事件をみごとに解決してしまう。
===

ある朝、彼女は木を燃やした懐かしいにおいに胸をしめつけられる。そして、引退したら田舎に帰ることを夢想する。
===
・・・。自分は毎朝、家の前にすわって焚き火の煙のにおいを嗅ぎ、友達とおしゃべりをして過ごす一日を心待ちにするのだ。白人はなんとかわいそうなのだろう。こういうことを何ひとつできず、いつも走りまわって、どっちにしても起こってしまうことで悩んでいるなんて。お金をたくさん持つことがなんになるだろう。じっとすわって、ただ草を食む牛を眺めることもできないなら、お金があってもなんいもならない。それなのに白人はそのことに気づかない。ときには理解力があって、物事の本質をちゃんとわかっている白人に会うこともあるが、そういう人たちはきわめてまれで、ほかの白人たちからはうさん臭く思われている。 222-223p
===

ここを読んでいて、アパルトヘイト(人種隔離政策)の時代の「名誉白人」という言葉を思い出した。若い人は知らないかもしれない。アパルトヘイトの南アフリカ共和国で日本人は「名誉白人」と呼ばれていたのだった。ここでいう「白人」の中には「名誉白人」も含まれている。

しかし、マ・ラモツエは、ただ伝統を受け入れるわけではない。呪術医が強壮剤を調合するために子どもが誘拐され殺されたりすることは断じて許さない。

ぼくもこんなことは許せないと思う。他方で呪術医と伝統医療のからまった関係はそんなに単純でない話もあるかもしれない、いろんな地域でそれは単純にわけられないのではないだろうか?とも思う。

あと、面白いのがフェミニズムに対する複眼的な見方。

政財界に実際家である女性がもっと進出すべきだという昔馴染みの医師(男性)に賛成して、マ・ラモツエはこんな風に答える。
===
「女性がもっと力を持てば、戦争なんか起こさせないわ。あんな戦いに時間を無駄にするなんてできない。わたしたちは戦争のほんとうの姿を知っているもの――残るのは、ばらばらの体と泣き叫ぶ母親たちよ」
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主人公のその主張に医師は考え込む。
インディラ・ガンジーもゴルダ・メイアも戦争を起こしたことを想起して。ここにこの本の作者の本音が投影されているように読める。そして、以下のようにこのシーンは続く。

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「ほとんどの場合」ドクター・マケチはしぶしぶ認めた。「女性はやさしい。ほとんどの場合はね。だが、j必要とあれば非情にもなれる」
 ドクター・マケチは話題を変えたくてたまらなかった。・・・
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この先で、ドクター・マケチに、1年間のアメリカ生活から帰ってきたばかりの若い小娘との会話の苦い思い出がよみがえる。その「小娘」が年長者への気づかいなどお構いなしに、「食べたいなら、あなたも料理すべきよ。当然でしょ」と言われたときのことを。医師はその考えが理屈の上ではそのとおりだと思いながら、承服できないようだ。「その考えはアメリカのもので、それでアメリカ人は幸せになったのかと反問する。また妻に強いられて赤ん坊のおむつを替える男の話を想像するだけで「ぞっとする」として、以下のように書かれている。

==
アフリカには古くからの決りごとがあるし、それはとても適切で居心地のいいものだ――男にとっては。もちろん、ドクター・マケチは男だからそう思うのだろう。
==

このあたりにも作者がフェミニズムには全面的に承服できないけれども、それでも認めざるをえないことを、ちょっと苦く感じている本音がでているように思う。


とまあ、ぼくはどうしてもそんなエピソードに目が向いてしまうのだけれども、V.I.のような颯爽としたところのないマ・ラモツエはとても素敵な探偵だ。ぼくの前に新しいヒーローが誕生した。とはいうものの、この本は2003年に日本語翻訳がでて、シリーズの翻訳はもう3冊でている。



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