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<<   作成日時 : 2009/01/12 00:34   >>

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「反資本主義/アート」 VOL 3 読書メモ その1


VOL 3(以文社 2008年7月)の特集、「反資本主義/アート」

特集の巻頭言は高祖岩三郎氏が書いている。タイトルは
==
アートと
アクティビズム
のあいだ
――あるいは
新しい抵抗運動
の領野について
==

彼は例えば、ニューヨークのアート業界が80年代の100倍に膨れ上がっている、これは一体どういうことか?と書く。

ま、その話は置くとして、新しい抵抗運動の範例として「アートとアクティビズムのあいだ」でなされている異なったタイプの実践形態について記述している。

これをアート側と運動側双方から、以下のように説明している。(段落、空白行変更)
====
 アートの側から見ると、それは先鋭的な作品制作が個人主義化された生産/消費形態と制度化された劇場の殻を打ち破り、それぞれ培ってきたメディウムと技能を全面的に解放し、社会と都市空間の変革に介入し始めることである。これはアートという特権的に閉じていた領域の自己解放である。

 アクティビズム・・の側面から見ると、それはそれらがかねてから暗黙の内にそこに依って立ちながらも意識化してこなかった、あるいは無視してきた人間関係形成(あるいは「情動」)にまつわる戦術の本質性に目覚め、それを全面的に方法化し始めようとする展開である。つまり民衆の社会変革運動の様々な次元における方法的/人間関係的な豊饒化である。

 この二つの異なった領域の自己変革が、お互いの存在を認知し合い、評価し合い、連帯すること――ここではこうした異種交配が進行している。
===


この「アートとアクティビズムのあいだ」でなされている異なったタイプの実践形態は面白い。それはプロパガンダのための(くそ)プロレタリア芸術とは一線を画すようだ。ぼくはどうしてもアートの側からではなくて、社会運動の側から考えてしまうのだが、社会運動が情動を利用しながらも、そこに意識的に切り込めていなかったという指摘は面白いと思う。情動からもう一歩つっこんで、利害ではないところで人を動かす、その原動力に社会運動がどう向き合うか、というときにアートが持つ力は無視できないものになるとぼくは思う。もちろん、それはとても危険な方法ともオーバーラップする。リーズナブルではない情動が作り出されることにより、ナショナリズムを形成し、宗教的憎悪や排外主義を煽ってきたのだから。

そのようにではなく、現状のようではない世界・もうひとつの世界をつくりだすための、あるいは世界を解放するための 情動の喚起、人間関係形成にまつわる戦術について、アートと重なる部分で考えることは、それなりに楽しいことだと思う。


また、高祖氏は文化生産における主要なイデオロギーが大作家主義であるのに対して、「アートとアクティビズムのあいだ」の実践では、「一人の天才」ではなく「無数の凡才」が号令するという。また、それは未来に向けた新たな生産=闘争形態の実験であるとし、それは異なった社会的技能が交流する場であり、それらを繋いでいるのは「商品化されない労働」=「解放された労働」への熱い希求であると。そんな風に書く高祖氏もまたけっこう熱い。(これ、肯定的評価です。)


そして、以下のようにまとめて、この巻頭言を閉じる。

====
現今制度においてもはいかにも遠く見えるが、労働の解放を存在論的に予想させるのは、まさにアートなのである。その意味でも「アートとアクティビズムのあいだ」の実践領域は、現代の反資本主義的闘争に新しい範例を与えているのではないか? 今号に選出された論考や事例は、以上の問題機制において、少なくとも新しい議論の開始となりえるだろう。
====










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