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zoom RSS ハートのインタビュー (VOL 3)から

<<   作成日時 : 2009/01/11 08:49   >>

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ハートのインタビュー (VOL 03)から

ずいぶん以前(半年以上か?)に購入して、そのままになっていたVOL 3(以文社 2008年7月)を読みはじめた。
購入したのは「反資本主義/アート」というテーマに惹かれたからだが、「反資本主義/アート」についてのメモはまた書こう。


というわけで今回は
巻頭にあるのマイケル・ハートへのインタビューについて。
「コモン」の革命論に向けて
というタイトルがつけられている。聞き手は高祖岩三郎氏

インタビュアーが、『マルチチュード』では最後のほうで、「リアルポリティクス」や「大政治」の重要性について問う。ここにこの本の重要な転換点があると思われるのだが、それについて何か?、という質問。
(質問の趣旨がもうひとつよくわかっていないのだが、この質問の前には以下のようなことが書かれている。マルチチュードが世界を帝国化し、帝国がマルチチュードを力能化する、そのマルチチュードと帝国の関係は非中心的な力の作用、あるいはネットワークという論理で考察されていて、政治という視点では「ミクロ政治」、「マイナー政治」、「下部政治」の次元に対応する部分が大きいと理解していた、そこからの「大政治」への転換という脈絡の質問だ。質問はともかく、回答が興味深かったのでまとめた。


ハートはこんな風に答える。
==
今日の運動が 
1、なぜ、幅広い民衆の組織化をなしえていないか、
2、また何故、それは時間的に継続性が無いのか、
・・。ここでマルクス主義の思考が必要に。

第一の点に関しては「労働の一般性」ということ。つまり組織化の道具としての「労働」という視点によってのみ、巨大な人口に接近しなおせる。

第二点が「大政治」にかかわってくる。これは組織論の問題。わたしはこれを「新しい制度性」という概念で考える。・・・すでに存在する権力を創り直せということではない。今日の運動が、ごく短期間に力を発散しつくし、消滅していくことは広く問題にされているが、われわれは「永続する構造」あるいは「継続の力」といったものを考えたい。卑近な例では60年代の新左翼活動家は雑誌や社会センターなどを創造し、それはいまでも続いているが、今日の活動家は永続するものをつくらない、あるいはそれを避ける。われわれが「大政治」という概念で考えたいのは、ミクロからマクロまでの永続する構造。

===

されに続けて、「ここでこのように言うのが妥当かどうかわからないが」と断って、ラテンアメリカの国家と社会運動の関係を、とりわけボリビアを例に出す。ボリビアの国家と社会運動の関係というのは、ぼくもずっと気になっていたことだし、廣瀬純さんもそれについて書いているテーマだ。ここで、ハートはこの問題に関して、現在は両者は折衝を継続しているが、今後の問題はそれらの関係がどうなっていくかということだと言っている。つまり、左翼政権が運動を代表しようとするのではなく、より多くの活動形態を開いていくプラットフォームの空間を提供しうるかということだ、この新しいモデルにおいては、いまだに運動の自立空間が保たれている、と。

この話は以前からハートが言っている話だ。廣瀬さんが収録しているベネズエラをめぐるハートのインタビューでも同様のことを言っていた。

そして、こんなことも言う。
===
つまり、ネグリとわたしは、国家というものそれ自身が、問題の解決になるとは考えていません。むしろ特定のあり方において道具になりえないか、・・・。すでに存在している現状において、そこにも可能性を見出したい・・。
==

その回答を受けて聞き手の高祖氏は「国家は、われわれの多くが、その有効性は勿論のこと、存在の根拠や必然性を根底的に疑い議論しているものです。だが、それの位相さえも変わる新しい状況がありえるかもしれない」


どうも、ここで「大政治」という概念が使われている脈絡が理解できていないが・・・。ハートが指摘する二つの視点は興味深く、長いまとめをしてきたにもかかわらず、その答えにはあまり食指が動かない、っていうか、何が言いたいのか、何をすればいいと言っているのか、もうひとつ不明。

で、この話から高祖氏は前衛組織の一党独裁という形態ではないレーニン主義というハートの主張の話に移行する。

そして、話はオルタナティブな社会形成のための自己形成、マルチチュードで言われている(らしい)「人間の生産」という概念(つまり真の民主主義社会を構築するためには、人間というものを生産しなければならない。善でも悪でもない「人間の性」を変えていく、創っていくという)に移っていく。ハートはその「人間の性の変革」は自然発生的にはそうならないので、特定の組織の形成が必要だという結論を導く。そして、それはチョムスキーが組織構築の必要性についての認識が欠落しているという話に行く。


高祖氏はこの話に続けて、現代のアナーキズムとマルクス主義のかつてなかったような共通性が出てきているという話を持ち出すのだが、そこはパス。

ともかく、この話について、ハートはとてもわかりやすい結語で結んでいる。
===
わたしたちが強調したいのは、あくまでも政治的組織論の中心的重要性です。われわれ自身を変容するだけでなく、永続する慣習と構造を創る組織です。そのような「制度性」です。
===




最後に、
「コモン」の革命論へ
という節がくる。

ここでは高祖氏がまず、さまざまな次元のエコロジーの理解という話を始める。で、こんな風にいう。
===
一般的に流通している地球論あるいはエコロジーは、多くの場合、ごこかで人間と自然を分離し、無垢な自然に帰る、あるいは悪の根源である人間の生産過剰を縮小する、という還元的思考、否定的思考が介在しています。それに対して「帝国」も「マルチチュード」も過剰とその肯定という観点から考察されています。この違いはどのような全世界像の転換を迫っているのでしょうか?
===

ハートはこんな風に答える
===
これらについて考える場合、「商品の生産」と「主体性と欲望の生産」を双方考えることが重要。前者のみを見ると、生産過剰だけが見えてくるが、後者を考えるとそれほど単純ではない。この土台にマルクス的な問題機制が介在している。資本主義が生産するのは生産物だけではなく、社会関係の生産。資本は物の生産を通して主体性を生産し、それによって世界を統制している。ここにこそわれわれは介入しなければならない。われわれが生産を肯定する場合には、多くの場合、物ではなく、良き主体性の生産であり、社会関係の生産。そこでは押さえても押さえても立ちあがってくる過剰が重要になる。
===


で、連関がよくわからないのだが、ここで問題の大枠を指摘している、とした上で、「そこで、『コモン』という視点からエコロジーに接近することも可能だ」、という。コモンを自然世界のみにあてはめるのではなく、生産されたもの、たとえば言語などについて考える。つまり社会関係の様式、コミュニケーションにもあてはめ、そこから拡張的なエコロジーが出現するという。

で、ハートは「〈帝国〉」「マルチチュード」に続く3作目は「コモン」の話となり、現状での仮タイトルは「コモン・ウェルス」だという。

疲れて、そろそろ、読書メモをやめたくなってきた。そろそろやめる。


そんなこんなで、ハートは「共産主義(communism)」の代わりに「共通主義(commonism)」とも言えるのではないかという。


こんな話に加えて、現状の運動の話に移っていくのだが、そこもパス


コモンの革命論、また難解な本になりそうだ。
生産されたものをコモン・ウェルスにするというのは、そんなに新しい話ではないとも思う。
生産されたものを生産した(とされる人)の富にするのではなく、必要な人のところに持っていけばいいというのは立岩さんが私的所有論とか書いている話だろうし、その前にも言ってる人がいたかも。
そんなことを思った。  で、久しぶりに読書メモで疲れた。





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