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zoom RSS 「差異とアイデンティティのための闘争の先に見えてくるもの」西川長夫 メモ1

<<   作成日時 : 2009/06/23 03:13   >>

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ずっと、この文章について書こうと思いながら、ずっと読み終えることができずにいた。参考文献を含めても20ページに満たない短い講演録なのだが。

====
差異とアイデンティティのための闘争の先に見えてくるもの
――タゴールの反ナショナリズム論とイリイチの「ヴァナキュラーな価値」を手がかりに
===
これが掲載されているのは「生存学研究センター報告4」(2008年10月)
http://www.arsvi.com/b2000/0810av.htm
上記のURLにあるように送料だけ払って、ぼくは送ってもらった。
この講演が行われたのが2008年2月



この講演、まず多文化主義とは何かという話から入る。1965年のその誕生からそんなに長く経っているわけではないのに急激に変化し、その存立の根拠が問われるに至っている、という。
 その10類型などを通して、その多様性を見せた後に、こんな風に書いている。
===
多文化主義がグローバル化と呼ばれる、当初の予想をはるかに超える大きな歴史的変化に直面し、同時にその理論的な矛盾や限界が露になってきているという現実は認めなければならないと思います。
===

その矛盾と限界の記述に入る前に、西川氏は多文化主義が歴史的に果たした役割について、以下のように整理する。

===
 多文化主義が大英帝国の広大な旧植民地における移民国家の諸民族間あるいは諸エスニック集団間の対立(コンフリクト)を端緒とした、国民再統合の試みであり、したがって移民管理の意図を秘めた政策とイデオロギーであることは否定できません。しかし同時に多文化主義は、対立の克服と正義の実現をめざし現状改革的であることを自らに課した、その意味では「闘う概念」(ヴェルナー・ハーマッハ)でもありました。逆に言えば闘うことを止めたとき、多文化主義は終わる。多文化主義が限界に達したとは、同時に越えるべき対象(困難)を見出したということを意味するのではないでしょうか。
===

 て、そして矛盾と限界の記述に入る。以下、おおざっぱなまとめ。

それは現実と理論の両方から指摘されている、という。現実の移民の急激な増加、同時に同一地域の移民集団における多様性の進行。文化的な多様性は市場主義と多国籍企業のイデオロギーとして流布している。そのような現実の中で、移民の概念と同時に文化の概念を変えなければならない。当初の多文化主義が前提とした、純粋で均質的で自己完結的な民族文化という文化の概念はナショナルな幻想に過ぎなかった。それを証明したのがグローバル化という歴史的現実。同時にそれは多文化主義の理論的追究の一つの結果でもあった。続けて以下のように書かれている。

===
・・・。私たちはむしろ、一つの文化は(仮にそういうものがあるとして)、他の文化との関係によって成立する相互的、複数的なものであり、対立と受容、交流と変容を移動をくりかえす現象であることを強調すべきだと思います。そして、そのことは、差異やアイデンティティ概念の変更を意味するでしょう。
 多文化主義の未来は、グローバル化の先に何を見出すかにかかっていると思います。多文化主義的思考の限界をなしているのは、究極的には国家と資本、そして文明の概念ではないでしょうか。彼らの多くは少数民族の権利は主張しても少数民族を生みだしている国民国家システム自体は不問に付している。彼らの多くは民族的な格差と不平等を問題にしても資本主義という搾取のシステムを容認する。さらに問題なのは彼らの多くは多文化主義言説が究極的に西欧文明の擁護になっていることの自覚がないということです(この点にかんしてはすでに前年度報告「多文化主義の不正義」で述べました。
====

ここまでが、この講演の序論の部分で、ここからタゴールとイリッチの言葉を手がかりに、多文化主義の闘いの先にあるものを考える、としている。

この多文化主義批判の主張、藤岡恵美子さんの多文化主義批判などと通底している。

そして、この話がサブシステンスの話にもつながっていく。
サブシステンスとバナキュラーに関するちょっと意外な発見もあった。


疲れたので、今日はここまで。

続ける予定







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