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zoom RSS 「経済成長って 何で必要なんだろう?」読書メモ その2

<<   作成日時 : 2009/08/18 04:13   >>

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その1
http://tu-ta.at.webry.info/200908/article_8.html
の続き

敬称をどうしようか、すこし悩んでいます。
ここに登場するほとんどの人をぼくは知らないのですが、やはり「さん」にしようと思います。

で、この本、ほんとにつっこみたくなるところが満載でなかなか書ききれない。


その1の最後に、「経済成長はいらない」という声は、まだまだ小さいのに、これは過剰反応なのじゃないかという趣旨のことを書いた。他にも、岡田さんとの対談には「なぜ経済成長は嫌われるのか」という小見出しがあったりする。そこでも、「経済成長を快く思っていない人がいっぱいいて、経済成長が悪いという話が広く信じられている」と岡田さんが語っている。「ほんとかよ」と思う。それがほんとうなら希望があるかとも思う。そんなにそれが嫌われていないことがぼくは問題だと思うのだが、もしかして、ぼくたちの主張は主流を脅かすくらいになっているのだろうか。

また、飯田さんは赤木さんとの対談で、「赤木さんとの共通点」ということで「共同体に希望をたくす」方向への批判をあげている。これも共同体がもっと必要なのではないかというぼくの主張と対立する。

そこで飯田さんは身分制社会に戻りたくないとかいう話をするのだが、誰もそんなことは言っていない。ただ、「やっと村社会の息苦しさから脱出したのに」という提起は考慮に値するだろう。コミュニティの復権と村社会の息苦しさからの解放、これは両立不可能なのか。風通しのいいコミュニティをめざすという前提はある。現状の息苦しさはもっといろいろなんとかする方法があるはずだ。「家族や親族」と「新しい親密圏」という問題の立て方は、それを減らしていくヒントになるだろう。上野千鶴子さんの「選択縁」という提起も面白い。コミュニティの復権とは旧来の村社会を同じような社会をもう一度作ることではないはずだ。

コミュニティは息苦しいと感じてしまう背景には、また、メディアで日々流されている情報の刷り込みもあると思う。コミュニティからの情報発信機能をもう少し強めることで変わることもあるはず。しかし、もしかしたら、それでもやはりコミュニティの復権と息苦しさが残ることはあるかもしれない。そこでは、さまざまな問題がそうであるように、ぎりぎりのところでのバランスを探すしかないと思う。

また、赤木さんとの対談で飯田さんは「ワークシェアは無理だ」と決めるのだが、労働時間法制はワークシェア政策と言えるのではないだろうか。少なくともぼくが働いてきた四半世紀で波はありつつも労働時間は減少してきているはずだ。まだなくならない過労死の問題などを含めて、労働時間規制の強化は必要だし、それはある程度、ワークシェアとしても有効だと思う。せめて、有給休暇をちゃんと使い切ることができるようにするくらいのことから始める必要がある。有給を使いたくないから使わないという人はそんなにはいないはずだ。

また、この対談で正規社員の優遇をやめろという話が出てくる。しかし、基本的な問題は非正規の無権利状態なのではないか。まず、それを是正しることが先決だと思う。その中で、正規職員だけが優遇されているような状況が残るのであれば、それこそシェアすればいいのだろう。そういうシェアのほうがワークシェアより困難な気もするが。

次に気になったのがプレカリアートの問題はシステムの問題ではなく、小手先の経済政策の問題だという飯田さんの立論。常にある程度、人手不足になるくらいの経済状態を維持すればいいという。それをパイを大きくし続けることで実現するというのが、飯田さんの主張のようだ。
「常にある程度、人手不足になるくらいの状態」は確かにいいと思うが、それはパイの拡大ではなく、ワークシェアや労働時間規制、同一価値労働同一賃金の厳格化、ディーセント・ウェッジの実現、研修生という名の現代の奴隷制度の廃止などと同時に実現される必要があると思う。

繰り返しになるが、地球環境問題を解決し、南北の格差を縮小していくことをめざす持続可能な社会を実現する方向で、日本のような「先進国」でもGDP(パイ)を結果として拡大することが可能なら、それを否定しないが、そんなことが本当に可能なのか。そこのところの可能性を「実証家の経済学者」には、ぜひ検討してもらいたいと思う。

飯田さんは非正規や失業者のことに触れた後で、こんな風にいう。
「下ができたおかげで、かなり気分はいいですね。みんなけっしていわないけれど、この感情は否定できないですよ」
ほんとうにそうだろうか。仕事を失って困っている人を見ることが「気分いい」?
このあたりの感性を読まされると、やっぱり違う人なんだなぁと思う。それに赤木さんは(この紙面では)反論していないのだが、どう感じたのだろう。編集された部分があったのだろうか。

ともかく、この「下ができたおかげで、かなり気分はいい」発言に続けて、飯田さんは「赤木さんの『非正規でもちゃんとした生活を』という闘争方針をまったくそのとおりだ」と断った上で、しかし、まだ労働力の中心が正社員だから、それは「政治的な力をもちうる欲求にはなりにくい」という。

「下ができたおかげで、かなり気分はいい」というのと「『非正規でもちゃんとした生活を』という闘争方針をまったくそのとおりだ」というのが両立してしまうのが、人間だという言い方もあるかもしれないが、「政治的な力をもちうる欲求にはなりにくい」という主張は、そんな一般的な話じゃなくて、飯田さんが「政治的な力にしたくない」って思ってるということじゃないか、つまり、本音の部分では赤木さんの闘争方針の「そのとおりだ」と言いつつ、笑い飛ばしているんじゃないかというふうにも読める。(悪意のある読み方だと言われたら、否定できない面もあるが。)

ま、とにかく、経済成長・産業構造の変化・インフレーションで、非正規で食えないという階層をなくすことが、技術的に可能で一番早いと飯田さんはいうのだった。

で、少数派の暴力革命でシステムは改変できないという話に飛んで、赤木さんとも一致する。

それはそうだと(今は<笑>)ぼくも思うが、「競争で勝ったりすることよりも、誰でもがちゃんと生活できることが大切」という価値は多数派になりえるんじゃないかと思う。

また、「山之内・ヴェーバー」の話に戻るが、世界を動かすエンジンが「利害」だとしても、それを動かす方向は「世界像」が決める、そういう意味で「競争で勝ったりすることよりも、誰でもがちゃんと生活できることが大切」という方向への世界像革命が必要なのではないかと思うのだった。


つっこみたい部分はもっとたくさんあったが、いたずらに長くなるし、疲れて眠くなったので、今日も途中だけど、ここでやめる。

とりあえず、赤木対談の部分までの読書メモは以上。

続けられたら、続きます。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。拝見させていただきました。
飯田さんという方の視野は狭いですね。
経済という枠の中だけでモノを見ている気がします。
環境も貧困も格差も全部繋がっているのに・・・

勉強になりました。
いつも情報ありがとうございます(^^)
高坂です
2009/08/21 12:34

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