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<<   作成日時 : 2011/02/01 18:53   >>

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いくつかのMLに今日、AJF事務局の斉藤さんの障害学MLへの投稿を許可をもらって転載した。

複雑に入り組んだ問題群がここにあるようにも思えるし、侵略者と植民地のいびつな関係が温存されているだけじゃないかとも読める。ぼくはここに提示してある問題群はそんなに単純ではないように思える。

以下、MLに投稿したものの転載。
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臓器移植の問題、それを必要としている人が身近にいれば、ほとんどの人が「それで助かるならなんとかして欲しい」と思うのだと思います。

しかし、臓器を提供する人の心臓が止まっていない場合が多いようです。

止まっていない心臓を取り出す行為といのちの軽重という問題も重ねて考える必要があるのだと思います。

他者の動いている心臓を取り出すことを待たなければならない医療行為です。

また、この例で出されているイスラエル兵に撃たれ脳死状態の12歳のパレスチナ人少年がイスラエルの人に臓器を提供するという構造にも注目する必要があると思います。

ただ、提供を受けたイスラエルの人が提供した側のパレスチナの人の親に直接会い話をするというのは、それとして大切なことでもあると思います。

沖縄でも臓器移植のための大規模なキャンペーンが行われているそうです。

さまざまな要素を立ち止まって考えることが必要なときもあると思うのです。

以下、転載します。



====
Mon, 31 Jan 2011 20:41:25 +0900
斉藤@AJF事務局です。

一昨日、開催された日本国際ボランティアセンター(JVC)の30周年記念シンポジウムに参加しました。
200人を超える人びとが参加した大きなシンポジウムでした。記念講演者として、「がんばらない」で有名な鎌田實氏(チェルノブイリ原発事故被爆者、イラクの劣化ウラン弾被害者の支援でも有名)が登壇しました。氏は、2005年にイスラエル兵に頭を打ち抜かれた12歳のパレスチナの少年の心臓が、イスラエルの12歳の少女に移植され、昨年、氏がパレスチナを訪問した際に、少年の父親と一緒に少女の家を訪ねたと話していました。
訪問者を迎えた少女の家族と一緒に撮った写真の背景に、訪ねた家の玄関には、少年はなぜ死ななければならなかったのか?と問いかけるイスラエル批判のポスターが貼られており、亡くなった少年の父親は17歳になった少女を抱きしめて「息子が生きているようだ」と言った、と氏が語るのを聞き、周囲で涙ぐむ気配が広がっていましたが、僕自身は、以前、このMLでも紹介した本に書かれていることが頭に浮かびこの話のまま終わって欲しくない、と思いながら聞いていました。
結局、講演の中では、心臓移植そのものをどう考えるべきなのか、少年が頭を打ち抜かれて亡くなった直後に、どうやって少女への移植という話が出てきたのが全く語られませんでした。
休憩時間に、氏の席へ行き、「感動したでは終われません。心臓移植についてはどう考えているのですか?」と聞きました。
鎌田氏は、臓器移植に反対しており移植拒否のドナー・カードを持っている、とのことでした。そのうえで「35分間という時間の中では触れることができなかった」と話していました。

改めて、皆さんにも以下の本を手に取ってもらえたらと思います。

いのちの選択──今、考えたい脳死・臓器移植 岩波ブックレット(782)
[生命倫理会議]小松美彦・市野川容孝・田中智彦(編)
岩波書店 630円 【テキスト・データ引換券付】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4002707822/ryospage03-22

【内容紹介】
日本社会では今、「いのち」はどこに向かっているのか。臓器移植法の改定により「脳死」が「人の死」とされ、家族の承諾だけでも全年齢で臓器提供が可能になった。7月の本格施行を控え、多くの人が遭遇しうる「ご家族の臓器を提供しますか」という問いに対し、知っておきたい事実や脳死・臓器移植をめぐるさまざまな声を伝える。

【目次】
■はじめに …小松美彦
■1章 知っておきたい、考えたい、脳死・臓器移植13のこと
      …香川知晶/小松美彦/田中智彦
■2章 家族として脳死と臓器移植を経験して
      …佐藤凛 (聞き手・市野川容孝)
■3章 さまざまな声 …池田清彦/池内了/杉本健郎/多田富雄/大場健/荻野美穂/金森修/小泉義之/佐藤憲一/高草木光一/柘植あづみ/爪田一壽/土井健司/森岡正博
■主な参考文献
■[付録] 生命倫理会議「臓器移植法改定に関する緊急声明」

======

私が担当した「2章」では、本人のドナー・カードにもとづき、脳死状態からの臓器提供に同意したけれども、今では、そのことを後悔しているし、脳死・臓器移植がはたして正しいことなのか、今では疑問に思っている、という方が、仮名ではありますが、その複雑な思いを吐露されています。
1章、2章、3章の全体を通じて訴えたいことは、あまりにも多くのことが知られていないし、知られていないまま、昨年の法改定は、粗雑かつ乱暴になされ、そして、この7月から、この改定法が本格的に施行されるが、本当にこれでよいのか、ということです(市野川容孝)。

-+-+-+-+-+
上記シンポジウムでの鎌田氏の講演の、僕が気になった部分をほぼ文章化した読売新聞のサイトがあることを教えてもらいました。
以下をご覧下さい。

息子の臓器提供した パレスチナ人の父、レシピエント家族と対面
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30443

このブログの紹介とあわせて以下のコメントももらいました。
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E・W・サイードは、『パレスチナとは何か』(岩波現代文庫)で、次のように書いています。「今日、イスラエルの管轄下にあるパレスチナ人労働者 の大半は、賃金労働者階級の最下層に集中している。彼らは、建設工事の労務者、技師、家具製造者、木工職人、室内装飾師などであり、そうした業種は、すべて、従来、二次的とか労働集約的とか呼ばれてきた労働市場の内部に位置づけられてる。この場合、一次的な市場とは、主として戦略的・軍事的な諸産業のことであり、それらはユダヤ人労働者に対してしか開かれていない。……占領地区からきたパレスチナ人に対して支払われる給与は、ユダヤ人よりもかなり低くなっている。しかし、何より際立っているのは──どこの職場であろうと──労働条件の相違にほからならない」(161−2頁)。

イスラエル国内にとどまったパレスチナ人は、逃げて難民にならなかった分、イスラエルの外にいるパレスチナ人よりも、一層、隷従的な状況に置かれている。外にいる人(難民)は、生活基盤がイスラエルの内部にない分、イスラエルとユダヤ人に対して強い態度に出られますが、中にいる人はそうではありません。少年の父親の一家も、一層、弱い立場にあるパレスチナ人に相違ないでしょう。
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上記シンポジウム会場の雰囲気は、こうした状況の中で、子どもが射殺されるという悲劇に遭遇したパレスチナ人に、臓器提供を求める仕組みがあって、その結果として移植がなされたというプロセスに十分、注意を払っているとは思えないものでした。
国際協力活動に関心のある、JVCを支持しているような人びとへの働きかけ、さらに重要と思います。

===
ブログ掲載にあたっての追記
イスラエル兵に射殺されたアハメド君が住んでいたのはジェニンなので西岸。国際的にもイスラエル国内ではない。国際的にはイスラエル国となっている48年の占領地もイスラエル領土と呼んでいいのかどうかという問題もあるが・・・。

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映画「ジェニンの心」:イスラエル兵に殺されたパレスチナの少年の臓器をイスラエルの子どもに移植
2005年、イスラエル兵によって頭を撃ち抜かれた12歳のパレスチナの少年の心臓が、 イスラエル国籍 を持つ12歳の少女に移植された。 その移植がドイツで「ジェニンの心」というドキュメンタリー映 画になって 反響を呼んでいるとのこと。 某MLで教えてもらって、検索してみた。 映画については ↓ <シリーズ 受賞作品>ジェニンの心 Amebaブログ「TVから世界へ!きりまる」 「ジェニンの心」千葉上映会 FC2ブログ「マルハバ! パレスチナ」 ... ...続きを見る
Ashley事件から生命倫理を考える
2011/04/14 20:03

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いつもお世話になります。TBしようと試みたのですが、うまくいかなかったので、こちらに。

http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63069512.html
spitzibara
2011/04/14 20:05

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