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zoom RSS 『自然に学ぶ粋なテクノロジー』メモ(その8)終わり

<<   作成日時 : 2011/05/18 06:33   >>

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その7
http://tu-ta.at.webry.info/201105/article_6.html
の続き

「鳥瞰的視点の必要性」について

まず、冒頭で以下のように書かれている。
===
 人間にとっての地球環境問題とは人間にとってのリスクであり、このリスクを下げるために肥大化した人間活動を縮小しなければならないのである。だからこそ、「環境とは単なる周囲の状況でなく、『人間活動の境界条件』として捉えられる」と鳥瞰型環境学の提唱者である安井至はいう。
 また、「ある問題を部分的に解決したころで新たなる問題が生み出されることがいかに多いか、技術開発の歴史は教えてくれる。部分だけを扱うのではなく、部分と部分をつなぎ、その隙間を埋め、全体的な問題の把握ができるような知識や方法も発展させなくてはならない。これが環境学という総合的なアプローチが求められるゆえんである」と石弘之はいう。166p
==
鳥瞰的視点の必要性についてはもうこれで十分かもしれない。


これに続けて、地球環境への意識と行動の間のギャップについて、タバコを吸い続ける人を例に、「認知的不協和」という話がでてきてくる。地球環境問題に対応して行動を変えられない企業や生活者もタバコが悪いとわかっていてもやめられない「認知的不協和」だと著者はいう。そして、以下のように書かれる。
===
これには明確なソリューションや方向性が示されていないことも大きな事実である。だが、近視眼的視点から離れなれないことや、自己保身が認知的不協和を誘発していることも想像に難くない。
 だからこそ、あたらしい視座が必要なのである。環境問題はもはや避けては通れない。企業経営や政策立案の付加的な要素ではない。あらゆる判断の中で環境という基盤の上にすべて(ブランド、利益、社会性など)を構築しなければならないのである。168p
===

まず、「認知的不協和」については、そういう側面はあるっていうか、ほとんどの主体が濃淡はあれ、そういう側面を含みもっているだろう。あたらしい視座を獲得したとしても、それがメインストリームになるまでは目先の魅力に目を奪われたりすることはあるのではないだろうか。


それに続いて、高学歴になるほど視野が狭くなるという日本の教育制度の問題に触れた後に、フランスの大学入学資格試験「パカロレア」には脱帽せざるをえない、という話になる。そこで驚いたのが、紹介されている必修の哲学の問題(抜粋、2008年から)。ここから1問を選び4時間かけて解くという。
===
理系
・アートはわれわれの現実意識を変え得るか
・ひとつの真実を確立するためにデモンストレーション以外の方法はあるか
文系
・認識は教育され得るか
・生命体の科学的認識は可能であるか

171p
===

この章の最後に再び、日本の有利な点があげられているのがだ、著者の視野にはほんど、日本と欧米、それに若干のアジアしか入っていないように読める。中南米やアフリカ、あるいはオセアニアや太平洋諸国は考察されていないように見える。また、欧米においても語られるのはメインストリームで近代を形成してきたものにつながる系譜だけだ。

ここで語られてきた欧米に含まれない豊穣な世界各地の先住民の文化があり、その多くの地域では持続可能な暮らしが営まれてきた。

日本の特殊性というのは、そういう持続可能な文化につながる文化が欧米に比べて、少し色濃く残っている部分があるということ、にもかかわらず工業先進国になったということだと思う。

この本での著者の主張をなぞれば、南の国に求められているのは、工業先進国になるというプロセスを通過しないで、自然に学ぶテクノロジーなどを通して、資源浪費型でない豊かな生活を送ることができる社会を、どのように形成できるか、ということだろう。

それは日本に学ぶことではないと、ぼくは思う。




それにしても、薄い本なのにいろいろインスパイアされることが多い本だった。
最後に再び、本の正式名称と著者名を書いておこう。

===
自然に学ぶ粋なテクノロジー
なぜカタツムリの殻は汚れないのか
石田 秀輝 著 2009年
===

もっと読まれるべき1冊だと思う。




この本の読書メモ、ここまで。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
いままでコメントを明確なSPAMを除いて、覚えている限りではコメントを削除したことはなかったのですが、上記のコメントは削除するかどうか検討中。

上記のとりわけ上のほうのリンクはクリックしないほうがいいかも。とりわけ、ウィルス対策のないPCでは。どうしても開きたい人は自己責任になります。

劇団どくんごの五月さん本人ではないとぼくは思います。
tu-ta
2011/05/25 02:52

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