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zoom RSS 石内都インタヴューから 〜〜原爆を綺麗に撮ることについて〜〜

<<   作成日時 : 2012/11/08 07:09   >>

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ちょっと教えてもらった石内都さんへのインタビュー
備忘録として、ここにも残す。


石内都インタヴュー2 2011年1月13日
http://www.oralarthistory.org/archives/ishiuchi_miyako/interview_02.php
から、部分引用
〜〜〜〜〜
中嶋:ああ、そうなんですか。やっぱり綺麗だってことが問題にされることも多かったんですか。

石内:もちろんもちろん。ある人が「こんなに綺麗で良いのか」とかってね、手紙くれたりしてるし。広島をあんな風に空に舞い挙げて良いのか、と。

小勝:それは手紙が来たんですか。私もよそで書いている人の文章を読みましたけれども。私が読んだのは、小沢節子さんていう方の。

石内:ああ、女性。

小勝:丸木夫妻の《原爆の図》の研究をされている方。丸木俊さんも、原爆の図をシリーズでいっぱい描いていらっしゃいますけれども、その中(絵本『ひろしまのピカ』)で色とりどりののチマ・チョゴリが空に飛んで故郷に帰っていくみたいな、朝鮮人被爆者の表象としてチマ・チョゴリが空に飛ぶのを描いたんだけれど、やっぱりそんなに美しくしちゃっていいのかっていう違和感をね、(小沢さんが)感じた、みたいな。それをちょっと(石内さんの《ひろしま》の目黒区美の展示で)思い出した、という(注:小沢節子「『美しさ』のゆらぎのなかで 原爆の表象をめぐる四つの断片」、『美術運動研究会ニュース』101号、2009年)。

石内:私は、いいんです、と。当たり前だ、と。私はそういうのを思って感じたことをちゃんと発表するわけで、他の人が美しいと思ってもそれは別の話なのね。私はその時に、この広島の遺品に出会った、それをその場もストレートに写真に置き換えただけだから。私が感じたことを写真に定着するだけだから。

中嶋:それまでの広島のイメージを覆すような写真では本当にあると思います。

石内:そうですね。

中嶋:とりわけこの資料、ここにも被爆者資料という風に書いてありますけれども、もはや資料ではないという。

石内:そうです。資料的な意味合いはあんまりあるけどない。

小勝:もっと、個人的な個別的な。

石内:というかね、これは一つ発見なんですよ、実は。何を発見をしたかというのは、広島の人たちが被爆という意味において貶められていたわけですよ。お洒落していたなんて言っちゃいけないみたいな。

小勝:あぁ、抑圧を(受けた)。

石内:ね、やっぱり原爆という大変な大事件を受けたら、それは被害者としてそんな普通の生活をしていちゃいけないんじゃないか、という。ところがどっこい、普通で当たり前で、普通に生活にしているわけですよ。広島だって長崎だって、東京だってパリだってニューヨークだってね。8月の6日はね。それなのにもかかわらず、広島・長崎っていうのは、そこら辺がすごくなんかこう塗り込められちゃった。変だよね。私はこれはね、普通の人が普通に生きて、普通にお洒落をして、こういうものを着てたっていうことを、私これは発見したんだと思ってるよ。

中嶋:そうですね。

石内:だから、言っちゃいけなかったんですよ、こういう風に。でも、当たり前じゃんって。原爆が落ちる前はみんな一緒だよ、みたいなかんじですよ。

小勝:一番びっくりするのは、この色彩とか素材とかの美しいままで残っていたということですよね。

石内:残ってたから。それはびっくりですよ。それも発見ですよね。

小勝:本当にそうですね。

石内:だって私、モノクロのイメージしかなかったんですもん。

中嶋:そうですね。

小勝:なんかみんな茶色く変色したね、そういうものしか今まで見てこなかったですよね。展示室や写真では。

中嶋:やっぱり白黒で撮られることが多かったんですよね、きっと。

石内:もちろん。いや、白黒のイメージがやっぱり一番ぴったりしていたんだと思いますよ。この広島というテーマ。私も実際白黒でも撮ってるんですけれども。

中嶋:そうですか。

石内:はい。両方撮ったんだけれど、最終的にはこのモノクロを一切やめて。ただ、展示する時は何点か展示しますけれども。だから、このなんていうんだろうな、距離が違うんですよ、本当に。

中嶋:そうですよね。

石内:全然。今までの広島と。
〜〜〜〜〜〜

この小沢さんの文章については
http://tu-ta.at.webry.info/200903/article_9.html にメモを残している。


ついでにこのインタビューの最初のほうにでてるイノセンス展についても引用
〜〜〜
中嶋:小勝さんが展覧会で、「INNOCENSE」展と付けられたのは、これは石内さんの作品から。(注:『イノセンス いのちに向き合うアート』、栃木県立美術館、2010年7月- 9月)

石内:私の作品を引き合いに出していただいたんです。

小勝:そうなんですよね、使わせていただいたんですけれども。ここに書いたように、女性の身体の傷っていうことに対する世間的なすごい偏見というか(ものがあり)、傷のないすべすべとした美しいヌードに対する写真というのは、そういうものを撮るんだっていう一般概念があると思いますけれど、それに対して、あえて傷のある女性身体っていうのを打ち出したということだと思うんですが。それに「INNOCENSE」というタイトルをつけた意味をちょっと、ご本人からおっしゃっていただけたら……

石内:はい。なんていうのかね、要するに私はその、「きずもの」っていうことばがすっごく恐ろしいことばだと思っていて。それは完全に女性蔑視っていうか、ね、傷物の、やっぱり女に使うことばですよね。いったい「きずもの」って何だろうと思うと、一番端的に表すのは要するに処女じゃないってことですよね。それが世間知の傷物ということになるが、いったいそれはなんだろうという風に考えたときに、ただ傷ってのは女の傷がないってことは、処女?処女性? みたいなものに対してすごく価値を、たぶん今でもあるんだと思うんですよね。それって何だろうと思うと、いわゆる処女とか非処女というのはわからないよね、ぱっと見て。どの人が処女でってね。でも傷跡っていうのは一目瞭然としてわかっちゃうじゃない。だから写真は表面しか撮れないから。そういう意味では、そのなんていうかな、非処女の傷物みたいなことものをもひっくるめて、私は表面的な傷跡を撮ることによって、なんだろう、その逆の意味でね、「INNOCENCE」というのは、これはもう逆説的な意味合いにおいてつけたんですけれども。でも逆に「INNOCENCE」ってきっと「きずもの」のことをいうんじゃないかな、みたいな言い方も含めてるんですよね。
 だからイノセンスそのものっていうのは、別になんてことないわけですよ、はっきり言って。「無垢」っていったい何だろうというと、それは始まりにあるわけですよ、無垢っていうのは。そこから始まるってことだけで。それが到達点でも何でもなくて、言ってみれば通過点みたいなものだなっていうことも含めて「INNOCENCE」という。

小勝:過剰に無垢とか純潔に価値を与えてしまうことが、ばかばかしいみたいな。

石内:いや、だから、女の価値の基準というか、価値の付け方がすごく単純明快でしょう、いってみれば。それだから「INNOCENCE」ということばの意味も入っているんだと思うんですよ。
 だから逆に私の「INNOCENCE」というのは、すっごく傷だらけの女性の写真ですから、半端じゃない傷の人ばかりですよね。それをあえて「INNOCENCE」という逆説的なタイトルをつけることによって、もっと傷ってことが浮かび上がってくる。という意味も含めてつけたんです。

中嶋:そうですね。「INNOCENCE」とあって、それで傷が出てくる写真があると、いろいろと考えさせられますし。

小勝:あの写真集、写真作品はおそらく、女性と男性で受取方がものすごく違うと思うんですけれど。男性から特に反発というか、見たくないというようなそういう感じ(があるのではないかと)…… 
〜〜〜
これについては
http://tu-ta.at.webry.info/201007/article_4.html
に行く前の印象を書いている。
行った後のことは
http://tu-ta.at.webry.info/201008/article_15.html
ここには、小勝さんが展覧会のタイトルについて書いた文章も引用している。


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