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zoom RSS 「人を伸ばす力」メモ

<<   作成日時 : 2017/04/02 07:22   >>

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「人を伸ばす力」
エドワード・L. デシ , リチャード フラスト (著)


「自ら学ぶ・やる意欲をもつこと、すなわち「内発的動機づけ」と、自己決定の重要性を、一般向けに分かりやすく解説」した本、とのこと。

どうして、こんな本を借りることになったのかさっぱり忘れていたが、ツイッターのログがぼくにそれを教えてくれた。
「人が自律的に生きているかどうかの鍵となるのは、自分自身の選択で行動していると心底感じられるかどうか…それは、自分が自由だと感じる心理状態であり、いわば行為が行為者の掌中にある状態…」
エドワード・L. デシ
http://millkeyweb.com/motivation-deci/
その自由は本物かが問題

という1月25日のツイート。
たぶん、これがきっかけで大田区の図書館で検索して、そのまま借りたんだと思う。
この間、ひっかかっている「人々を動かすのは何か」という問題意識とぴったりフィットしたのだった。例のヴェーバー問題だ。以下のブログ参照
損か得かが多くの人を動かしているのでは?
http://tu-ta.at.webry.info/201703/article_6.html



で、この本の日本語のタイトルはどうなんだろう。
「伸ばす力」? 「伸びる力」?
 原題は
WHY WE DO WHAT WE DO
The dynamics of personal autonomy
これをわけて
「なぜするか なにをするか」とも解釈できるし
つなげて
「私たちがすること、どうしてそうするのか」
とも解釈できるのかな?

アマゾンの説明
◆アメとムチはもう利かない!◆人の意欲と能力を伸ばす力は何か? アメとムチというのが従来の常識ですが、近年の心理学の研究はこの常識を否定し、課題に自発的にとりくむ「内発的動機づけ」と、自分が自分の行動の主人公となる「自律性」の重要性を実証しています。では内発的動機づけと自律性はどうしたら伸びるか、その成長をたすける方法は何か。説得的な事例に富み、研究成果への柔軟で深い洞察、現代社会の鋭敏な観察から書かれた本書は、自己の成長を願う人々はもとより、成長をたすける立場にある親や教師、カウンセラー、管理者にとって、人間観がひっくりかえされるような読書経験となるでしょう。

同じく抜粋
この本のねらいを手短かに述べておこう。それは、さまざまな動機づけ研究から自律性と責任感の関係について探り、疎外をもたらす世界において責任ある行動を促すという問題に活かすことである。この本には希望がある。なぜなら、自分たちのために、子どもたちのために、雇われている人たちのために、患者のために、学生のために、スポーツをする人のために、私たちは何ができるのか―私は社会のために何ができるのか―を提示しているからである。ここに提供する処方箋は万能薬ではないし、たやすく実行できるものでもない。しかし、その処方箋はすべての人にかかわるし、教師、管理職、親、医者、コーチなどの役割に利用できる。実際、この処方箋は方針を立案する立場のすべての人々にとって重要である。処方は先ず、動機づけを理解する事、そしてそれがどれほど偽りのない自分にもとづくものであるかを知ることから始まる。そうした理解に立って、自分自身をもっと有効に統御すること、いままでとは違うしかたで他者と関係をもつこと、そしてもっと意味のある社会的方針を立てることを目指している。(「第1章 権威と不服従」より)


読む前に返す期日が来て、次の人が待っているのでちゃんと読んでいない。とりわけ真ん中あたりはほとんど読んでない。以下はそれが前提のメモ。

冒頭近く(2p)で、動機について、自律的他者からの統制かが重要だと書かれる。それはその通りなんだが、その区別はけっこう微妙だ。そんなことも少し書かれているのを発見したが、なにせちゃんと読んでいないので、ちゃんと書かれている部分があるかどうかは不明。

自律的でない行動は他者に統制されている行動だが、それには二つのタイプがあるという。服従と反抗。反抗も他者からの統制の一部だというのが、これは反抗に対する評価を下げすぎているようにも感じた。(反抗好きの私)

自発的な行動に外的な報酬を与えたとき、そのモチベーションが下がるという実験結果が書かれている(28-30p)。しかし、これは外的な報酬とは何か、ということでもあるのではないか、それが金銭・物質であれば、そういうことはあるかと思うが、金銭・物質以外の外的な報酬がモチベーションを上げるということもあるのではないか。例えば、ボランティアを考えてみる。それが有償であることがモチベーションを下げるとはなかなか考えにくいが、ある条件をつければ、それが有償であることがモチベーションを下げることはあるかもしれない。つまり、お金のためにそれをやっているのではないかと自分を疑うようになったとき、モチベーションは下がるかもしれない。しかし、自分がやりたいことをやった上に報酬もでるということでモチベーションをあげる人もいるだろう、ということを家で連れと話していて感じた。

正しい問いは「他者をどのように動機づけるか」ではない。「どのようにすれば他者が自らを動機づける条件を生み出せるか」と問わなければならない。12p
これも明解だが、以下も明解。
報酬、強要、脅し、監視、競争、評価――このような方法を人の行動を動機づけるために利用することに私は原則的に反対する。しかし、単に寛容であればいいと主張しているわけではない。目標や構造を定め、制限を設定するなどのことは、たとえ好まれないとわかっていても、学校や組織、さらには文化においてはしばしば重要である。・・・仕事中に気ままに出歩く人をそのまま黙認することは適切ではない。真に重要な問題は、何でも許容しないことと意識を低下させないことを両立できるかどうかにある。・・・どのようにすれば折り合いがつくのだろうか。56p
上記をこどもが絵具をきちんとしまうかどうかを例にとって、どういう言葉かけが有効だったかと例示される。ここに例示してある「報酬、強要、脅し、監視、競争、評価」のうち、「強要、脅し、監視」については、従来からそのマイナスが言われてきた。また、「競争」についても、言われることはある。しかし、「報酬と評価」については、モチベーションにも関係して、必要とされてきた。これを一列に並べてしまうのはどうなのだろう?さらに言えば、モチベーションをあげるためにこそ「報酬と評価」が使われてきたのではないか。

例えば、企業における「成果主義」評価をどう見るか、この本で例に出されているゼロックスなどでも成果主義による評価は行われていると思うのだが、それって外発的な動機づけではないか?
74pではそのような成果主義評価がもたらすマイナスについて記述されていた。こんな風に書かれている。報酬は、動機づけようという意図をもって使えば使うほど、マイナスの効果を生じさせる、という話を紹介し、子どもへのご褒美の問題を書いた後で以下のように書かれている。
 報酬を提供する際のもう一つの重要なポイントは、きちんとした釣り合いのとれたものである必要がある、ということだ。ことばを変えて言えば、報酬がその貢献に見合ったものであり、周囲の人が得ているものと比べバランスがとれていると感じる必要がある。釣り合いのとれた報酬とは、組織に貢献すればするほど、それに応じて報酬が与えられるということだ。しかし、これは微妙な問題である。この考えはともすると、報酬を動機づけに利用することになりがちで、報酬の統制の側面が強調される結果になるからである。報酬の動機づけ方略的な側面を避け、仕事の条件の単なる一側面とすることによって、単純に仕事をいうものに内在する事実として報酬をバランスよく扱うことができるに違いない。75p

とされる。これはそんなに単純じゃないと思う。このバランスを意識することはすごく大事だと思うが、どこをその均衡点とするかというのはかなり難しく、どこまでいっても誰かから不満が出てくる。他国籍企業などの法外な社長報酬は論外だとしても、このデシの議論に厳格に従って、その報酬の差を現行よりも相当に小さくすることは必要だと思った。例えばどんな企業でも最高年収2千万くらいを上限にして(もちろん資産による収入もそれを上限として)、それ以上に儲かった分をちゃんとしれ以下の人に配分できるようにすれば、社会はずいぶんと変わるんじゃないか。

で、この本でいいと思ったのは、いろいろ微妙な部分の説明。
例えば、
社会が効果的に機能するために、メンバーが社会の価値や習慣をある程度身につけていなければならない。しかし、価値を内在化し、それに沿おうとするかどうかは、次の二つの理由から微妙な問題。
1、個人としてうまく機能するためにば、その人の価値観とそれに伴う動機づけの統合が不可欠。そうでなければ、社会への服従となる。
2、社会が個人に対して提供する価値や習慣――度を過ぎた物質主義などの価値――が、その人の人間としての根源的な欲求とうまくかみ合わなければ、内在化プロセスは失敗に終わることもある。たとえそうした価値を内在化したとしても、この異常に強力な外発的価値に合わせて生きようとし続けるうちに、大きな犠牲を払うことになる
(以上、抜粋要約186p)

この1は例のヴェーバーの【人間の行為を直接的に支配するものは、利害関心(物質的ならびに観念的な)であって、理念ではない。しかし、「理念」によってつくりだされた「世界像」は、きわめてしばしば転轍機(ターンテーブルのルビ)として軌道を決定し、その軌道の上を利害のダイナミックスが人間の行為を推し進めてきたのである。】と響き合う部分があるだろう。

2については、同じことが逆にも言えるのではないか。「人間としての根源的な欲求」に従って生きようとしても「強力な外発的価値」から自由であることはできない。その「強力な外発的価値」を強制する社会の変革を求める営みを抜きにして、「人間としての根源的な欲求」に従って、生きることは難しいと思うのだが、どうだろう。

215pにある「報酬と承認」では優れた個人やチームに対する表彰や賞品の例。これに否定的な見解。それが与えられないものが存在し、互いの敵対を仕向ける可能性。それを動機づけの方法として用いるなら、まったく逆の結果をもたらす可能性がある、とのこと。このあたり、多くの企業が間違っていると言えるかもしれない。自分たちのところの評価についても、再検討が必要なのかと思った。

219pでは、同様に成果を上げるための圧力が逆効果になることが書かれている。重要なのは「自律性の支援」というわけだ。

これらは成果主義の給与体系に対する明確な批判になりえるのではないか?

そして、
「自分の動機づけに純粋な興味をもつことが、行動の変化を成功させる出発点」228p
と書かれていて、それはそうかもしれないと感じた。なぜ、自分はその行為を行っているのか、という部分はもっと注目されていいかもしれない。

以下は229pから抜粋・要約(番号は勝手につけた)
1、行動を変える決意は自分自身で行わなければならない。
2、そのためになぜ変えたいのか、その理由を探し、変わればどのような恩恵得るのかをよく考える必要。
3、動機づけを探るということは、ほんとうの選択をするということ。
4、変えるも変えないも自分次第。
5、背後にある動機づけを吟味してほんとうの選択をするまでは自己破壊的な行動に「支配」され続ける。


これは煙草やアルコール依存などの嗜癖的な行動について書かれているのだが、エシカルでエコロジカルな行動ができるかどうか、とか、社会運動に参加しようと思うかどうか、という話に援用できそうだと思う。

問題はどれだけの人が「背後にある動機づけを吟味してほんとうの選択をする」ことができるか、その動機づけに至る条件をどう形成すればいいかという話だろう。

235~236pには医療について
「生物医学的アプローチ」から「生物心理社会的」アプローチへの転換について書かれている。
これは障害の医療モデル(個人モデル)から社会モデルへの転換ともつながる話で、もしかしたらその影響もあるのかもしれないと感じた。

241pでは「自律性を支援できるように医者をトレーニングする」という節がある。いわゆる「支援」という仕事をしている人間も、そのようなトレーニングを重ねる必要があるのだろうと思った。頭では理解できていても、つい違うこともやってしまうから。

また、248pの同じ上司の下で同じように扱われている二人の部下の話も興味深い。
そういう場合でも二人が経験することは非常に異なるかもしれないという。
それぞれが異なる期待と感受性を持っているので、同じように扱われていても、1人は自律性が支援されていると感じ、もう一人は統制されていると感じるかもしれない
、というわけだ。というわけで、この自律性の支援というのもそんなに単純ではないみたいだ。

「人の行動がどの程度自律的、創造的で、生き生きしているか、内発的に動機づけられているかは、パーソナリティ(われわれが自律性と呼ぶもの)と社会環境が自律性を支援する程度との相互作用によって決まる」


「訳者あとがき」(290p)から(要約・抜粋)
デシ先生は内発的動機づけのみなもととして「自律性への欲求」と「有能さへの欲求」と「関係性への欲求」を想定。

このなかの「有能さへの欲求」というのは、他者に統制されている行動との連関が微妙だと思った。有能さを求めるのは有能さそれ自体を求めるのではなく、その結果として何かを求めるからではないか。そして、それは他者からの求めであることも多いのではないか。

というようなメモをちゃんと読みもしないで、残しておきたくなった。
いつかちゃんと読もう。

社会運動もこのあたりのことをちゃんと捕まえておく必要があるのかもしれないと最近思っている。

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