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zoom RSS 『グローバル・ジャーナリズム』メモ

<<   作成日時 : 2017/06/25 22:23   >>

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グローバル・ジャーナリズム――国際スクープの舞台裏 (岩波新書)
澤 康臣著

すごく久しぶりに会ったら、こんな本を書いてた。パソコン通信時代の知り合い。本名は知らなかったけど・・・。

とりわけ第1章のパナマ文書に関するインターナショナルな報道チームの記録は小説のように面白かった。それ以外も知らない話が多かった。匿名報道をめぐる話は、匿名が正しいのかなぁと思っていたので、ちょっと考えさせられた。

ジャーナリズムに視点は必要であり、それは政治的な立場でもあると澤さんは書く。その上で中立とは言えないことと、運動を目的とすることは違う、運動を目的とするのであれば、報道は手段になり、運動の目的に従属させられることになる、という。(151-2p)
映画表現と運動の関係にもこれは援用出来るかもしれないし、スターリン主義の芸術論批判ともつながるところがありそう。そして、50年代の文化運動を見ていくうえで、この問題をどう考えるかというのも、重要なテーマになるのだろう。

また、中国の記者たち、報道規制を見ながら、ぎりぎりセーフを狙って書いていて、その範囲が90年代には緩く、2003年のSARS報道がピーク(陳・香港大学ジャーナリズム・メディア研究センター元所長による)で、習近平体制ではインターネット規制も強化され、報道姿勢はいよいよ厳しくなった。とはいうものの、IT技術の向上で中国では本来アクセスできないサイトにアクセスする技術とか、身元を隠してアクセスしたりができるようになっていて、「セーフ」領域が息を吹き返すのも時間の問題かもしれない、と著者は書く。169-171p
しかし、規制する側の技術も進むので、そう簡単ではないかもしれない。自由報道や表現の自由をめぐる中国の記者と政府の駆け引きは当分続きそうではある。

205p〜は「第5章 そして日本は―」
ここでは米国での裁判情報の開示の情報がしめされ、それと比較して日本の裁判所が情報を開示しないこと、そして、そこからくる匿名性の可否の問題が提起される。被害者も含めた当事者の心痛の問題は本当に重く真剣に考えられなければならない(211p)としつつ、記録が個人名を含めて検証できないのは当局者と少数の専門家に白紙委任を渡すに等しいのではないか、と書かれ江川紹子さんの以下の発言を紹介する。
「プライバシーを侵害するような問題が何か起きるなら、それは閲覧した側の責任であって、閲覧させた検察庁の問題ではない。そうやって「元栓を閉める」のはおかしい」

つまり悪用は悪用者の責任を問えばいいのだという。212p

また、それが社会復帰の妨げになるという問題についても言及される(223p〜)。ここから死刑の問題に少し話がスライドして読みにくい(それだけ明確な結論が出しにくい議論だということもできる)。

ふと思ったのだが、「資料は閲覧できても、報道はしない」という選択肢はないだろうかた。記者や検証・研究を行いたいものは資料を基に調査報道が可能になるが、そこでは検証ができればいいので、それを報道とか公開の研究発表には用いないという方法はないだろうか?
実名が出て、それが社会復帰の妨げになることは確かにありそうだ。この本にも書いてあるように「取材報道された人が幸せになるのが良いニュース」とは必ずしもいえない困難はあり、記者はその限界を思い知るべき(224p)だ。そして、著者は市民に具体的な情報を提供し、議論と検証に奉仕する意義を自覚する必要があると主張するのだが、事実を知らされ、検証したいのであれば、市民が裁判所の生データにアクセスできるようにすればいいのではないかと思うのだが、どうだろう。そういう意味で、裁判所の情報公開は必要だと思うが、実名報道が必要なのかどうか疑問。

ただ、権力者の犯罪、権力やお金を人から奪ってる人の犯罪については名前を出してもいいと思うけど

ともあれ、裁判所の情報公開とこの実名か匿名かということに関しては、もっと議論があっていいと思う。白か黒かとはっきり出来ない問題だけに、多くの人を巻き込んで考えることは大事だと思う。








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