『社会はこうやって変える!』ことができるかな?その1(ほんの紹介41回目)

2021年7月に、「たこの木通信」に送った原稿(ほんの紹介41回目)

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『社会はこうやって変える!』ことができるかな?その1

(ほんの紹介41回目)


今回、紹介するのは『社会はこうやって変える!副題は「コミュニティ・オーガナイジング入門」(藤井敦史など訳、法律文化社2020年)英国での『コミュニティ・オーガナイジング』(以下、COと略)に関して、その考え方や実践が紹介されている。少し検索するとCOにも、流派があるようだ(詳しくは知らない)が、どこにも共通しているのは、『市民(人々)の力で自分たちの社会を変えていくための方法であり考え方』という部分。この本では以下のように紹介されている。

この本は…象徴的な抗議行動からパワーと変化のための戦略へと移行する方法を示している。それは、自分たちの計画を立てるためにどのように人々が集まり、その計画を達成するためにどのように協働するかに関わっている。 私も受け継ぎ、今まで12年間実践してきた方法は、変化を起こしたいと考える誰にとっても習得でき、 使うことができるものである。        (中略)

 それはパワー自己利益を理解する仕方を根本的に考え直すことを要求し、これら二つの概念を、 政治の動きや社会の変化といったものが実際にどのように生じるのかについての議論の中心におくのである。それは、人々が、どのように金銭力や権威を持っている人々と闘い、勝つことができるのかということについての方法と戦術を提供してくれる。

CO【支える背骨となる二つの概念、「パワー」と「自己利益」】だという。社会を変え得るのはパワーと自己利益だという身もふたもないような話だが、説得力はある。いままでも「現状の社会がダメで、***のような社会を展望しなければならない」という類の本は、もう数えきれないくらいあった。それに比べて、それをどのように実現するかという本はあまりに少なく、稀にあったとしても、理想に傾き過ぎてあまり使えないものが多い。そういう点で傑出しているといえるかもしれない。

「本書の読み方」という訳者の藤井さんによる文章は法律文化社のサイトで読むことができる。ここにはこんなことが書かれている。

…日本の市民社会では、サー ビス供給の役割が基本的に強調される傾向にあり、社会運動としての役割は後景に退きがちだ。NPOであっても、脱政治化した市場のアクターとしての性格を強めれば強めるほど、一般的な営利企業との差異も見えなくなっていき、 市民社会としてのアイデンティティが失われてしまうのではないかという恐れもある。

また、パワーという概念も欠落している。NPOと行政の「協働」が多くの自治体で謳われるようになって久しいが、市民社会の側のパワーが欠落し た「協働」は絵に描いた餅で、結局のところ、単なる下請け関係を生み出していたに過ぎないようにも思われる。加えて、日本の市民社会は、パワーを生み出しようにも、あまりにも横の連携、とりわけ異質なものの間の連携を作り出すことが下手なのではないか。

英国のコミュニティ・オーガナイジングに見られるようなNPO、協同組合、宗教団体、労働組合、教育機関、地縁団体間での連携といったものを見ることはほとんどない。しかし、同質的な団体の狭いサークル内での連携だけでは、政治的なパワーを生み出すことなど、夢のまた夢と言わざるをえない。

以上のような日本の市民社会の現状に対する問題意識が、シティズンズUKのコミュニティ・オーガナイジングの秘密を知り、私たちが抱えている問題に対する処方箋として役立てたいという動機につながり、本書の翻訳へと突き動かしたのである
-ⅴページ 読みにくかったので勝手に改行。藤井さん、すみません)

じゃあ、「パワー」と「自己利益」とは何か、どう行使するのかを書かずに紙幅が尽きた。来月に続ける予定。気が変わらなければ。 

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続いてます。ただ、続きも中途半端なんですが・・・。
9月後半か、10月初めには次を掲載します。

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