障害者雇用代行などについて

障害者雇用代行の課題を考えるために、以下。
 知り合いで元目黒区障害福祉係長だった平井さんがフェイスブックで以下のように書いています。(許可をもらって転載)。
「障害者雇用にお困りの企業様」と就労希望の障害者のマッチングをする会社で農業をするという、最近ありがちな雇用パターンがある。障害者雇用の法定雇用率を達成するための請負企業だ。雇用契約は全く別の会社と結んで、その会社の本業とは関係なく、請負会社の農業をする。色んな会社が請負会社に登録して障害者を雇用するから、別々の会社に雇用された障害のある労働者が一緒に働く。障害者が働けることは良いことだが、こういう雇用形態では、ますます閉塞的な障害者雇用になることは事実だろう。

 ただ、批判ばかりもできない実態もある。私が役所勤務時代も、障害者雇用は上手くいってなかった。採用ー病欠ー休職ー退職ー新たな職員採用というパターンは余りに多くなかったか。勤務を続けていく人でも、仕事への関わりが余りに少ない人もいた。民間企業への就職も仕事が確保されておらず、ネグレクトで虐待ではないかという訴えもあった。雇用率達成のために仕事も非常に少ない中での在宅障害者の雇用の実態もあった。

 現代の仕事内容もドラスティックに変化する中での障害者雇用は決して掛け声だけではダメだと思う。従来の個別企業別の雇用及び雇用率自体が限界にも来ているのだろうか?直接雇用しない特例子会社への批判もあるけど・・ただ、もっと社会全体で雇用する体制が求められるのだろうか?どうなんだろう?単に雇用率という量的な比較だけではなく、実態を真摯に捉え直して、抜本的な見直しが求められる時期なような気もする。
これにぼくが書いたコメントは以下
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 障害者雇用代行の問題は毎日新聞の山田奈緒記者が追いかけています。 少し古いですが、以下の記事が詳しいです。
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記者の目
企業の障害者雇用「外注」 分断広げる「数合わせ」
=山田奈緒(東京社会部)
毎日新聞 2019/11/7 東京朝刊 有料記事 2016文字
https://mainichi.jp/articles/20191107/ddm/005/070/017000c
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ここで、問題点を書いた後、山田記者は 以下のような結論を書いています。
 雇用促進法の対象が、身体障害者から知的、精神障害者にも広がって30年以上が過ぎた。経済活動を担う仲間として障害者を受け入れる企業も着実に増えている。それは、障害者や家族が偏見や差別に耐えながら働く姿を示し、社会参加という当然の権利を勝ち取ってきた努力や苦労の積み重ねの成果といえる。特別支援学校の教諭や、医療、福祉、労働分野の関係者らも奔走し、障害者への理解と職域を広げてきた。その歴史を踏まえれば、外注ビジネスを行政が支援するのは誤りだと思う。社会の成長を止めてしまう。

 民間企業に定められた2・2%の法定雇用率は、20年度末までに0・1ポイントの引き上げが予定されている。厚生労働省の元官僚は「諸外国と比べてまだ低い。先進国として胸を張れない」と必要性を説く。「もっと高く設定すれば、小手先の外注ビジネスは減るのではないか」とも言った。だが、障害者を社会の一員と捉える土壌が十分に育っていないのに雇用率を引き上げれば、法の理念からずれた数合わせの雇用が進むだけだ。共生の基本が見失われる。

 共生社会を目指すうえで必要なのは、自慢できる数字ではなく、未熟な現状を直視することではないか。日常のあらゆる場面で、どうすれば障害者と健常者の関わりを増やしていけるのかを考えるという基本に立ち返るべきだ。
確かに、その通りではあるのですが、具体的で即効的な解決策ではありません。
また、同じ毎日新聞に元毎日新聞記者の野澤和弘さんが以下の記事で障害者雇用について、概観し、C型就労に肯定的な評価を与えています。
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令和の幸福論 何のために働くのか
~障害者雇用に学ぶ生きがい
野澤和弘・植草学園大学教授/毎日新聞客員編集委員 2020年12月11日 https://mainichi.jp/premier/health/articles/20201210/med/00m/100/009000c
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ここで、C型就労について、以下のように説明します。
C型とは、Community型の略だが、A型就労でもB型就労でもない、新たな雇用のあり方を提示しようとの意図も込められている。労働契約の有無や賃金の多寡だけでなく、働くことの目的や中身に目を向けようというのである。障害者が働くことを通して、地域社会に関わりを持ち、貢献することによって地域共生の実現に努めようというコンセプトだ。
この文章に書かれていること、とりわけ単純なC型評価には納得できない部分も多いのですが、考える材料はたくさん詰まっていると思います。

また、毎日の山田記者の主張は以下でも読めます。
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2019.12.17
障害者と関わるのは面倒? 外注ビジネスで露呈した「社会の本音」
障害者は障害者だけで暮らせばいいのか
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障害者雇用代行の問題は明らかだが、そこで救われている障害者がいることも否定できない。
企業にしたって、企業にとってプラスに働くような直接雇用や特例子会社での雇用の方法があれば、そちらを選ぶのだろうが、それを作っていくためのスキルも能力も余力もなく、雇用代行企業にお金を払って、雇用を代行してもらっているのだと思う。

どうすれば、企業にとっても、障害当事者にとってもプラスになるような働く場を準備できるか。具体的な提案が求められている。


追記

この雇用代行企業に支払うお金以下で、直接、障害者を雇用して、いっしょに働き、利益を出す仕組みを作ること、知恵を出せば、そんなに困難ではないのではないか。そして、その多様性は職場を活性化させることにつながるはずだ。就労移行支援や就労継続支援事業所とタイアップして、WINWINの関係を形成すれば、さらに容易にそれは達成できるのではないか? また、さまざまな就労に関する機関が、それをバックアップしてくれるはず。(その機関が本来、持つべき力を有していれば、という話だが)

就業規則に手を入れて、多様な働き方ができるようにすることで、雇用代行など使わずに、魅力的な職場を作ることは可能だし、そんなに難しくないと思う。企業には、ぜひ、それにチャレンジして欲しい。

そのために企業に必要なことは、風通しを良くし、必要なことを率直に話し合える関係を形成すること。そして、トップがそれを意識的に形成する努力だと思う。そこで働く人に障害者雇用の必要性とメリットを説明できる人は、社会を見回せば、それなりに存在するのではないか。コンセンサスを形成し、職場に障害者が入り、多様性が認められることのメリットは小さくないはず。

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