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zoom RSS 『「障害者自立支援法」時代を生き抜くために』 読書メモへの岡部さんからのレスポンス

<<   作成日時 : 2006/03/21 04:40   >>

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http://tu-ta.at.webry.info/200603/article_5.html
で書いた読書メモを障害学MLに投稿し、著者の岡部さんからレスポンスをもらった。
岡部さんに確認したら、ブログに転載することを快く了解してもらったので、以下に障害学MLでの岡部さんからのレスポンスに続くやりとりを転載。

まずは、岡部さんの最初のレスポンス転載
===
岡部耕典です。

***さん、ご無沙汰しております。

拙い私の文章を丁寧にレビューしていただき、ありがとうございます。

そうですね、ダイレクトペイメントの議論というのは、ベーシックインカムの議論に似ているかもしれません。

だれもが、「そりゃおもしろい(あるいは「大切だ」)、でも、夢の話だ(あるいは、「今持ち出すのはまずい)」という意味で…最近流行のフィージビリティ(実行可能性)という観点からの批判もあるでしょうね。

ただ、「夢の話だから意味がない」ともいえないと思います。

少なくとも、介護保険制度が「第一にサービスを創り、第二に物差しを作り、第三にルールをつくる」(池田省三さん)という制度である限り、最終的にはパーソナルアシスタンス・運動・交渉といったものとは相容れない可能性が高いこと。

加えて、「ダイレクトペイメントの漫画」は、「重度包括」というかたちで「あちら側」から既に持ち出されており、その単価が異常に低いのは「障害者団体が単価についての話し合いを蹴ったからだ」(私が知る限りそういう経緯ではなかっのではないかと思いますが)というネガティブキャンペーンが張られていたりすること。

いろいろ考えると、「同情するならカネをくれ」といいたくなる気持ちもわかりますが、大きく足元をすくわれないようにいろいろな角度から議論をしていく題材としてダイレクトペイメントは有益だと思うのですけどね。

如何でしょうか…

==最初のレスポンス転載ここまで==

==続いて、このメールへのぼくからのレスポンスその1転載==


ぼくのコメント、批判に読めるかもしれません。
しかし、だとすれば、それはぼくの文章の力の至らなさです。

大切な提起だと思っていて、だからこそ、どう実現していくのかという観点についても、もっとアプローチがあればいいなと思ったのでした。

次の介護保険への統合の局面、あるいはその先を見越して、制度を具体化していくために、いま、何ができるのか、そのあたりのことも考えてたいと思ったわけです。

まずは、なぜパーソナルアシスタンスやダイレクトペイメントが必要なのかということをあまりカタカナ言葉を使わずに、誰でも理解できるような形にしていくことが必要なのかと思います。

その必要性を広げていくというプロセスとともに、政策を実現していくために何が必要なのか、ということをあわせて考えていかなければならないように思います。



で、誤解を産んだ原因にはぼくの読解力不足もあったのではないかと思います。実は岡部さんの以下の文章、岡部さんが何を指してどういうことを主張されようとしたのか、わからないままなのです。
にもかかわらず、引用して、そこからの印象評価を書いてしまったのですが、ここで、岡部さんが主張されたかったことをもう少し詳しく教えてもらえたらうれしいです。

===
・・・。・・・その先に目されている介護保険制度との統合にむけてのタイムリミットを考えれば、残された時間は少なく、選択肢も限られている、ということも事実ではないだろうか。
===


わからなかったのは、「残された時間は少なく、選択肢も限られている、ということも事実」ということを記述するときに、何をイメージされているかということです。

これをあえて、節の結語として書かれることの意味が理解できていないのです。だから、選択肢を広げる可能性はあまりないという主張にも読めますし、だからこそ、選択肢を広げていくための努力をしなければならないという風にも読めます。後者であれば、残された短い時間に何が必要だとお考えなのでしょうか。

ここで記述されている事実から、岡部さんはどのような対応が必要とされているとイメージしているのかという部分を教えて欲しいと思うのです。


====
少し蛇足になるかもしれませんが、ぼくは「障害学」は現実の社会を変えていくということと無関係な場所に置かれるべきではないと考えています。だから、制度の理論的な枠組みを中心に考える人にも、それをどう具体化していくのかということも考えて欲しいと思います。


> 最近流行のフィージビリティ(実行可
> 能性)という観点からの批判もあるでしょうね。

このあたりのことに、ぼくはまーったく疎いのですが、実行は遥か彼方にあるように思えることを、考えることが無駄だとは思いません。ただ、それが望ましいと思うのであれば、その遥か彼方への架橋をイメージしてもらえればいいと思います。なかなか難しいことではあるのですが。


工場の仕事が無茶苦茶に混んでいて、いろんなことが出来ない抑圧から逆に躁状態になっているようなところがある   ***でした。


==ぼくからのレスポンスその1転載、ここまで==


==以下、岡部さんからのレスポンスその2==


岡部耕典です。



「残された時間は少なく」というのは、介護保険の被保険者の範囲を検討する会議の終わる2006年度末、ということをさしています。

「選択肢が限られている」というのは、@「現行制度」(障害者自立支援法)を死守?&「発展」A介護保険の「上乗せ・横だし」に活路を求めるB第三の制度を求める、のいすれか(あるいはその複合)、ということです。

「現実的」といえば、@かAなのでしょうが、Bを検討することで、現行制度を少しでも使いうるものに変えていく、介護保険を「つかえる」ものにする検討をおこなうのみでは抜けおちてしまうかもしれない議論もできるのではないかと思います。その意味では、基本的に結論は開かれている、というつもりで書いています。


==岡部さんからのレスポンスその2 ここまで==


==以下、ぼくからのレスポンス、その2 転載==
岡部さん、返信ありがとうございます。

今朝、ラジオをつけたら偶然、政府の広報番組で自立支援法の宣伝を京極さんが話していました。最後の少しを聞いただけですが、そこで、不都合があれば修正していくことの重要性も語っていました。(反対が多いことにはほとんど触れず、制度を自賛する態度は本と同じでうんざりしましたが)


岡部さんの書いている通り、自立支援法とはまったく別物だったり、介護保険との統合だったりする以外の選択肢の実現性は厳しい中で、本来こうあって欲しいという制度のイメージを明確にしながら、少なくともそれに近づけていくために制度の改変を求めていくという方法は必要だと思います。

例えば、今回の自立支援法の「第三者判定モデル」の中に、「交渉決定モデル」的な要素をできるだけ入れていくとかいうことは、それがなぜ必要なのかという主張も含めてどんどん主張されていいのではないかと思います。

また、「施設や作業所から一般就労を」という今回の法律が求めているスローガンは現実にそれを求めている人も少なくないと思うし、もっと一般就労が広がることは重要なことなので、例えばかなり長時間のパーソナルアシスタンスが必要な人にも一般就労を広げていけるような大胆な施策の転換が求められているようにも思います。

一般就労で受け入れるところがないにもかかわらず、そのようなスローガンが掲げられるというようなことを認めてはいけないし、どうすれば現実に雇用や就労が可能になるのかということが、もっと真剣に考えられなければならないと思います。

それは、現実の職場を変えていくという努力と働き始めた後にも職場の内外で必要なサポート(アシスタンス)が受けられるという体制の構築を不可避のものとするはずです。

==ぼくからのレスポンス、その2 ここまで==


==以下、岡部さんからのレスポンスその3==

岡部耕典です。

***さん、ありがとうございます。

(立岩さんの表現を借りれば)とても「うっとおしい」状況であるわけですが、だからこそ、割り切らず、あきらめず、できるところで、できることをし続けなくてはならない、というところでしょうか。

というわけで?「宣伝」をふたつさせてください。

その1.

もう公開していることなので、ここで改めて紹介してもよいと思うのですが、今年の年末の政策研に向けての特別プロジェクトとして「政策プロジェクト」というのが開始しています。

DPIの尾上さんが実質的な座長で、DPIやJIL、障大連などの錚々たる論者がメンバー、それを、土屋さん、圓山さん、山下さんといった研究者グループが支えるかたちで、私も(たいしたことはできないですが)すこしお手伝いさせていただいています。

直接のターゲットは来年の介護保険の被保険者の拡大問題に対する検討ですが、例の関係者の検討会議や社保審の向こうを張って?「利用者・当事者」主体の検討会をやろうという意図と理解しています。(Seats at the Table が用意されないなら、こちらで作ってしまおう、というか)

先日準備会があって、石毛さんと私が報告をし、こののち、社会保障関係を中心とした有識者をお招きして、集中的な議論をおこない、夏までに「中間まとめ」をおこなおう、ということになりました。多分DPIのホームページとかで報告されると思いますので(多分)ご注目を。

その2.

***さんにご紹介いただいた「ケアの自律」の内容も含めた拙論(博論)がお勧めがあって出版の予定です。「6月の障害学会には間に合わせる」とハッパをかけられて(汗)、今出版用の再構成と修正をしているところですが、出来たらまた叩いてください。

==岡部さんからのレスポンスその3 ここまで==


ここまでが、障害学MLでのやりとりです。
本格的なオルタナティブの提示に向けての努力も始まっているようで、楽しみです。これから、自立支援法のほころびや破綻はいろんなところで出てくるだろうと思います。それを丁寧に拾い集め、声なき声をそれなりに聞こえる声にしていくことが重要になってきているように思います。




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