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zoom RSS 「障害とは何か」読書メモ(5)星加さんのユニバーサルデザイン批判について

<<   作成日時 : 2007/09/04 04:33   >>

ガッツ(がんばれ!) ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 2

まず、最初に言い訳。いままでぼくが書いたことと、この星加さんの本を読み返してみると、赤面したくなるようなぼくの読みの浅さがいくつもあるし、星加さんの本の読書メモに限らず、これからもいろいろあると思うのだが、とりあえず、思いついたことを字にしておこうと思う。


星加さんのユニバーサルデザイン批判について

こんな風に書かれている。
==
…、バリアの実態についての丁寧な把握によって、バリアの非文脈的な同一性・同質性を超えて、特に緊急で切迫したニーズを有する人々の「問題」、そして無自覚的なバリアの解消過程(市場や政治的過程を通した「バリアフリー」)に委ねているだけでは取り残されがちな「問題」への優先度を考慮する、といった視点が導入されるのである。たとえば、「ユニバーサル・デザイン」の理念においては、「障害のある人は多様なニーズを持った多様な人たちの中の一人という扱いになります。ですから『障害のある人にいい』ではなく、『みんなにいい』ということになり、その『みんな』の中にたまたま高齢の人や障害のある人も含まれていることになるわけです」(川内 2001)ということになるが、これでは「不利益をめぐる政治」における障害者の不利な位置や、「不利益の集中」といった事態の切実性・優先性は問題にされないのである。 270p
==

こんなふうにユニバーサル・デザインを対立的にとらえることに違和感が残る。

星加さんはこの少し前で、「こうした多数派と少数派の非対称な関係は、誰にとっての『バリアフリー』なのか問うことによって焦点化されてくる」と書き、それを強調する文脈でこの話もでてくるのだが、問題はなにをもって、少数派のニーズを実現していくかという問題になるのだろう。

「わたしが尊厳を持って生きていくために、これがどうしても必要だ」というふうにニーズを主張することと、「こんなふうにすることで、みんなが使えるようになる」と主張すること、それを対立するものとして理解することが有効だとは思えない。その両者は確かに原理的にはすれ違うところがあるだろう。しかし、その両者を原理主義的に分離させていてもしょうがないと思う。

また、ユニバーサル・デザインの前提として、「誰もが尊厳を持って生きていける社会を作ろう」という思想があると思う。だとすれば、「事態の切実性・優先性は問題にされない」ということにはならないのではないだろうか。

確かになんでもユニバーサルであればいいというわけではないだろう。例えば、障害者雇用率制度というのはユニバーサルな制度とは言えないけれども、それは必要だろう。しかし、例えば各種のトランスポーテーションの制度を考えたときに、障害者専用があればいいという風には思えない。障害者専用通路とか障害者専用トイレがあれば、排他的にそれが使用できるという意味で便利なこともあるかもしれないが、それを誰も望んではいない。ユニバーサルな制度が必要な部分とそうでない部分があるということが理解されたらそれでいいように思うのだけれども、どうなんだろう。


それから、最初に引用した文章のこの部分も気になった。
==
無自覚的なバリアの解消過程(市場や政治的過程を通した「バリアフリー」)に委ねているだけでは取り残されがちな「問題」への優先度を考慮する
==
市場に委ねているだけではだめだというのはわかる。しかし、「政治的過程」はアプリオリに存在するわけではない。プライベートな問題にされがちなことを「政治的過程」として作り出していくことこそが問われているのではないかと思う。ここで星加さんが書きたかったのは、与えられるものとしての政治がもたらす制度に委ねているだけではダメというような意味なのかと思うけれども、だとしたら、別の表現があるんじゃないかと思ったわけだ。





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お久しぶりです。
この本、まったく読んでおりませんので
ぜんぜん見当違いのことを申し上げるかもしれませんが
tu-ta さんの、このご考察に
アファーマティブアクションをからめてみると
より深いものがみえてくるのでは
そう感じました。
cana
2007/09/09 00:50
アファーマティブアクションについては星加さんもけっこうページをさいて、書いてます。
ぼくもちょっと考えてみますね。
tu-ta
2007/09/09 07:52

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