|
「武装解除 紛争屋が見た世界」伊勢崎賢治著(講談社現代新書 2004年)(伊勢崎の崎は本当は「立」の下に可) 軍事力を背景にした武装解除は不可欠だという立場で行動し、武装した軍隊とともに停戦監視を行ってきた著者が、軍隊を持たないという憲法9条2項を改変を許さないという。いろんな立場の9条2項改悪反対派がいるけど、彼はひときわユニーク。 先日、紹介した「NGOとは何か」 == 「NGOとは何か」伊勢崎賢治著 読書メモ その1 その2 その3 == この著者でもあり、やはり以前に紹介した 軍縮地球市民No.7(2007年冬号)に掲載されている講演録「9・11後5年 アフガニスタンは今」 の講演者でもある。と考えると、今年、ぼくがかなりこだわった一人でもある。 で、この本「武装解除」の帯にはこんな風に書かれている。 == 職業:「紛争屋」 職務内容:多国籍の軍人・警官を部下に従え、軍閥の間に立ち、あらゆる手段を駆使して武器を取り上げる。 机上の空論はいらない 現場で考えた紛争屋の平和論 == 彼は、ここでも以前紹介した明日の「人道援助のいまとNGOこれから」という集会のコメンテーターでもある。 今日はとりわけ、そのあたりのところを抜書き&コメント ==抜書き== 戦争利権としての人道援助 2003年・・・英米連合軍のイラク攻撃に対して、世界中で反対運動が起きていた。・・・。しかし、NGOのメッカであるイギリスで、伝統的に現場で人道援助をやってきた事業実施型NGOは、反戦運動をそんなにしてなかったのだ。・・・。 目立った反戦運動をしなかったロジックは、次のようなものだ。 ・・・人を助ける動機は、政治に左右されてはならない。戦争というのはきわめて政治的な問題であり、・・・。だから、人道援助NGOは、政治的発言を敢えてしないし、戦争に表立って反対することもしない。 ・・・、彼ら人道援助団体が活動できて、その職員が食い扶持を得られるのは、人道問題が起こるからで、それをつくるのは戦争である。 (中略) だから、(出席していた平和構築セミナーで)僕は、「NGOは何も言わなかったじゃないか。それで人道問題が起きれば、その利権に群がるのか」と批判した。静かな拍手を頂いた。 206-207p == 確かにその通りだ。ぼくは静かなじゃなくて大きな拍手をしたい。 ただ、やっぱりひっかかる、たぶんぼく以外の人も思うのだろうけれども、米国に日本も加担したアフガンへの先制攻撃・戦争でめちゃくちゃになった国家で戦争を起こした当事者の作ったスキームのもとで、自ら書いているように内政干渉までしながら武装解除の指揮にあたったことは、どうなのか」ということ。 NGOが戦争に反対しなかったのに戦後の利権に群がるのは大きな問題だと思うが、戦争を仕掛けた国家が、人道援助の衣をまとって、戦後の体制作りに参加することは許容されるのか。そして利権に群がるNGOを雇うのは戦争を仕掛けた側の人間であり、その当事者としての伊勢崎さんは、そのことをどう考えているのだろう。 ぼくがいいかげんに読んだ限りでは、その問いに伊勢崎さんは正面からは応えていないように思える。 また、こんなことも書かれている。 === アメリカが始めた二つの戦争は人類の基本的モラルを崩壊させたのだ。 これは、自己資金が乏しいとの理由で、公的資金に頼らざるを得ない日本のNGOにとって、さらに厳しいものとなる。官民コラボレーションとか、「金は貰っても魂は売らない」とか言い張っても、まったくの自慰行為である。・・・。公的資金を受けないと死活にかかわるNGOは、この時点で、非政府(Non-Government)でなくなり、国策、つまり日の丸を背負うことになる。 人道援助の復権には、まず公的資金から完全に足を洗い、どんな国策からも独立を図ることから始めるしかない。まず自らを完璧に”浄化”しない限り、被害者たちと対峙できない。 これをNGOコミュニティ全体でやらなければならないのだ。 不可能に近い。 現実的なのは、潔く人道主義の看板は下ろし、何もしないことである。援助が止まるために、民衆の何人かが犠牲になるかもしれないが、自分の命を犠牲にしてまでの”善意”は、自発的殉教者と同じく、究極の自慰行為にしかすぎない。 何もしないことによる抗議の表明は政治的影響力としては微々たるものかも知れないが、人道主義を崩壊させた張本人の身代わりで犠牲になるより、ずっと優れた人道的行為である。 209-210p === この「人道主義を崩壊させた張本人」といっしょになって、武装解除を行うことは本当に意味があると言えるのか。NGOをそんなところに追い込んだ国家の問題を(そこに入っていったNGOを免罪できるとは思わないが)どう考え、それとどのような距離をとるのかという点で、伊勢崎さんとぼくのスタンスは決定的に違うのだろう。 「何もしないことによる抗議の表明」ということがありえるなら、「人道主義を崩壊させた張本人」といっしょになってDDRとかやる必要はないのではないか、と思うんだけどどうだろう。 というわけで、明日の集会の彼のコメントが楽しみだ。 上記の記事が「面白いかも」って思ったら、この下にある「人気blogランキングへ」というのをクリックしてください。 人気blogランキングへ クリックしてくれた人数のランキングです。クリックするとランキングのサイトに飛び、うんざりするような排外主義ブログのタイトルの山を見ることになります。こんなランキングに登録するバカバカしさを感じないわけでもないんですが、・・・ でも、クリックしてもらえるとうれしかったりもします。 人気blogランキングへ |
| << 前記事(2007/12/08) | トップへ | 後記事(2007/12/09)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2007/12/08) | トップへ | 後記事(2007/12/09)>> |