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zoom RSS <帝国>読書メモ 9 間奏曲

<<   作成日時 : 2008/03/24 05:42   >>

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今週の読書会のパートは「間奏曲」

最初の問題の立て方でつまずく。<帝国>風な問題の立て方への違和感はどんどん深まっていく。


この本を読んでいて、イライラしてくる理由の一つは、「じゃあ、具体的にどうすればいいんだ」っていうのが見えてこないこと。それへの回答がこの間奏曲という章と章の間の文章に書かれている。

回答は明確だけれども肩透かしだ。

===
私たちがそこで生じている問題設定と、さまざまな抵抗の生産的かつ存在論的な次元にうまく接近するにしても、私たちはまだ――本書の終わりにいたってさえも――<帝国>に対する政治的オルタナティブを何かしら存在するような具体的なかたちで練り上げ、それを示してみせるような場所にいるわけではない。またそもそも、私たちが試みているような理論的な節合から、そうした実効的な青写真が生じることはけっしてないだろう。それは実践においてのみ生じるものだろう。
270p
===

しかし同時に、<帝国>に対するオルタナティブを呈示することは必要だという。それはグローバルなレヴェルで呈示されなければならないと書き、再びローカルな抵抗が批判される。
ネグリ・ハートはこんな風に書く。
===
境界を画定された、ローカルな自律性を目指そうとする企てによって<帝国>に抵抗することは不可能なのだ。
===

ほんとうにそうだろうか?ローカルで自律的な空間は<帝国>に対抗していくためのスペースにはなりえないのか。ハートはベネズエラに関して、こんな風にインタビューに答えているではないか。

第4回 マイケル・ハート・インタヴュー:「自律性は反帝国主義よりも強力な武器だ。」
===
──ベネスエラのことに話を戻します。ふたつの革命が同時に起こっていると考えている人々がいます。ひとつは、チャベスを頭とした、上からの革命であり、もうひとつは、下のバリオにおける革命です。

MH とても面白いと思います。ベネスエラで起きていることについてはとても興味があります。最初の印象では、私は、チャベスの強権的で軍事的なスタイルが好きではありませんでした。しかし、徐々に学んでいくにつれ、ベネスエラで起きつつあることは、全体として、とても生産的なものであるように思えてきています。■
===


本書(<帝国>)でネグリ・ハートは「向こう側へ到達するためには<帝国>を突き抜けなければならないのだ」
と書くのだが、<帝国>に対抗するローカルで自律的な社会をリゾーム状に結び付けていくというような抵抗の方法はありうるのではないか。また、<帝国>に飲み込まれないローカルな空間を構想し、具体化することを抜きにどんな抵抗がありえるのか。確かにわたしたちはグローバルな結びつきに規定され、その抜けられない網の目の中で生きていかざるをえないところに置かれている。しかし、私たちがどんなに移動したとしても、いま生きているこの地点はローカルにしか存在しないのではないか。

否応なく侵食してくる<帝国>に身を任せていれば、市場の運動の方向にどんどん流されていくだろう。抵抗の意思を持って流されていく、というようなことが本当に可能なのか。

ネグリ・ハートは「<帝国>が差し出す過程を推し進めて現在の限界を乗り越える」というのだが、そのような形で乗り越えた先に、こうあって欲しいという社会が存在するとは思えない。

どこまでも残酷で破壊的な<帝国>が差し出すグローバル化の過程を、どうして推し進めることなどできるだろう。ネグリはそういう脈略で欧州憲法にも賛成したのだろうか。

多くの人が「こんな社会はもうたくさんだ」と思い始めているときに、どうして、このプロセスを推し進めることなどできるのだろう。

確かに抵抗運動がグローバルに思考し、グローバルに行動することは必要だろう。しかし、それはローカルから切り離されたところには存在し得ない。

問われているのは、<帝国>が差し出す過程を推し進めることではなく、「生きさせろ」という声を出すこと、また、「生きさせろ」という声を出している人に耳を傾け、ともに生きようとする営みではないか。それは輸出用の換金作物ではなく、ローカルの人が食べるものを作ることであり、その生存の基盤を脅かす<帝国>的なありようにNO!を叩きつけることではないだろうか?


こんな風にちょっと興奮しつつ書きながら、ふと思う。そんなあたりまえのことをネグリやハートが思いつかないはずはないではないか。だとすれば、誤読なのか。

まあ、それならそれで笑ってすませるしかないんだけど、どこで読み間違えたんだろう。間違えてるとしたら、ぼくの問題はあるんだろうけど、そんな風に読ませる本の問題だってことにしておこう。

疲れたから寝る。




p.s.

===
<帝国>から「切り離され」、固定された境界によってその権力から保護され孤立した個別的共同体を人種的、宗教的、または地域的な用語で定義しようとするどんな提案も、結局のところ一種のゲットーに陥るべく運命づけられている。 271p
===
でも、ゲットーをつなげて、そこから抵抗する方法があるんじゃないかと思う。


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