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zoom RSS 『銃・病原菌、・鉄』 読書メモ

<<   作成日時 : 2009/03/08 17:47   >>

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銃・病原菌、・鉄
1万3000年にわたる人類史の謎
ジャレド・ダイアモンド著 倉骨 彰訳
まだ読み終えていない本の読書メモ。

又借りした本を返す都合で、第一部まで読んだ段階のメモ。

アマゾンに出ている簡潔な説明は以下
銃と軍馬―― 16世紀にピサロ率いる168人のスペイン部隊が4万人に守られるインカ皇帝を戦闘の末に捕虜にできたのは、これらのためであった事実は知られている。なぜ、アメリカ先住民は銃という武器を発明できなかったのか?彼らが劣っていたからか?ならば、2つの人種の故郷が反対であったなら、アメリカ大陸からユーラシア大陸への侵攻というかたちになったのだろうか?

否、と著者は言う。そして、その理由を98年度ピューリッツァー賞に輝いた本書で、最後の氷河期が終わった1万3000年前からの人類史をひもときながら説明する。はるか昔、同じような条件でスタートしたはずの人間が、今では一部の人種が圧倒的優位を誇っているのはなぜか。著者の答えは、地形や動植物相を含めた「環境」だ。

たとえば、密林で狩猟・採集生活をしている人々は、そこで生きるための豊かな知恵をもっている。だが、これは外の世界では通用しない。他文明を征服できるような技術が発達する条件は定住生活にあるのだ。植物栽培や家畜の飼育で人口は増加し、余剰生産物が生まれる。その結果、役人や軍人、技術者といった専門職が発生し、情報を伝達するための文字も発達していく。つまり、ユーラシア大陸は栽培可能な植物、家畜化できる動物にもともと恵まれ、さらに、地形的にも、他文明の技術を取り入れて利用できる交易路も確保されていたというわけだ。また、家畜と接することで動物がもたらす伝染病に対する免疫力も発達していた。南北アメリカ、オーストラリア、アフリカと決定的に違っていたのは、まさにこれらの要因だった。本書のタイトルは、ヨーロッパ人が他民族と接触したときに「武器」になったものを表している。

著者は進化生物学者でカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部教授。ニューギニアを中心とする長年のフィールドワークでも知られている。地球上で人間の進む道がかくも異なったのはなぜか、という壮大な謎を、生物学、言語学などの豊富な知識を駆使して説き明かす本書には、ただただ圧倒される。(小林千枝子)


カバーの袖の部分には以下のように書かれている。
ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南北アメリカ、オーストラリア、それぞれの地で、人類はきわめて多様な社会を作りあげてきた。高度な工業化社会もあれば、伝統的な農耕牧畜生活を営む人びともいる。数千年にわたって狩猟採集生活をつづける人びともいる。なぜ人類社会はこれほど異なった発展の道筋をたどってきたのか。世界の地域間の格差を生みだしたものの正体とは何か。
この壮大な謎を、1万3000年前からの人類史をたどりつつ、分子生物学や進化生物学、生物地理学、考古学、文化人類学などの最新の研究成果をもとに解き明かしていく、本書は・・・(以下略)



著者は執筆の初発の動機について、25年前に出会った「ヤリ」という名の政治家と著者の会話をもってくる。
平均的なニューギニア人と白人、頭のよさでは同等であるにもかかわらず、どうしてこんなに違うのかという疑問への回答だという。
現代社会の不均衡を生みだした直接の原因は西暦1500年時点における技術や政治構造の各大陸間の格差だが、では、なぜ世界は西暦1500年の時点でそのようになっていたのかということを著者は問う。それを氷河期が終わった紀元前1万1000年から現在までの1万3000年のスパンで見ていこうとする。

そして著者は、この本をたった一文で要約する
「歴史は、異なる人びとによって異なる経路をたどったが、それは、人びとがおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない」

プロローグの概略から
本書は四部構成

第1部
1章 1万3000年の進化の歴史
2章 それぞれの大陸の環境の差異が歴史にどのような影響をおよぼしたか、オセアニア・ポリネシアの例から
3章 ピサロの少数のスペイン軍がインカ帝国アタワルパの大軍に遭遇した瞬間から考察

第2部 いくつかの要因の中で最重要と考えられる要因
4章 食料の狩猟採集をやめて、農耕や家畜の飼育で食料を生産するようになったことがいかにしてピサロの勝利につながったか
5章 食料生産の地域差
6章 狩猟採集からの移行の要因(地域ごとに)
7〜10章 先史時代の食料生産の移行の考察とその伝播

第3部 直接の要因と究極の要因を結ぶ因果の鎖を探る
11章 感染症の病原菌がどのように進化したか
12章 食料生産と文字の発明を結ぶ鎖
13章 文字の伝播と技術の伝播。農耕によって食料生産と余剰食糧の蓄積が可能になり、その蓄積が非生産者階級の専門職を養うゆとりを社会に生みだし、技術の発達を可能にした。
14章 余剰食糧は政治家や養うゆとりも生みだした。

第4部 第2部と第3部の考察の結果が、どのようにあてはまるか
15章 オーストラリアとニューギニア
16,17章 アジア本土と太平洋域
18章 欧州人とアメリカ先住民の衝突
19章 サブ・サハラ、新世界の歴史と対照的でありながら、驚くほどの類似性

エピローグ いまだ解明されない謎
・同じユーラシアでの違い
・環境とは無関係の文化的要因
・個々人の特質の歴史への影響
こうした未解決の問題で重要なのは
・人類史の研究を、進化生物学や地質学や気候学のような歴史科学として確立させること

===
第1部までしか読んでないのだが、3章には以下のような結語が記載されている。
銃・病原菌・鉄
 結論をまとめると、ピサロが皇帝アタワルパを捕虜にできた要因こそ、まさにヨーロッパ人が新世界を植民地化できた直接の要因である。アメリカ先住民がヨーロッパを植民地化したのではなく、ヨーロッパ人が新世界を植民地化したことの直接の要因がそこにあったのである。ピサロを成功に導いた直接の要因は、銃器、鉄製の武器、そして騎馬などにもとづく軍事技術、ユーラシアの風土病・伝染病に対する免疫、ヨーロッパの航海技術、ヨーロッパ国家の集権的な政治機構、そして文字を持っていたことである。 (中略) しかし、銃や鉄がヨーロッパで作られる以前においても、あとの章で見るように、非ヨーロッパ系の民族が同じ要因を背景に自分たちの勢力範囲を拡大していた。

 この章では、ヨーロッパ人が・・・征服できた直接の要因を考察したが、・・・なぜヨーロッパで生まれたのかという根本的な疑問は依然として謎のままである。・・・第2部および第3部では、これらの根本的な因果関係に関する疑問について考察する。




西暦1500年以降の侵略と虐殺の歴史についてはいくつか学んできた。この本では、ここから、そこにいたった経過をたどることになるらしい。

人びとが殺しあう歴史に終止符を打つことは可能なのか、「強い」文化を持ったところが略奪していくという歴史はいつまで続くのか。気になるので、続きも読みたいところだが、読めるかどうかはわからない。


また、この著者がナショナル ジオグラフィックのインタビューに答えている。(2007年)
田中優さんも言っているし、よくいわれている話だが以下に引用。
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0707/feature06/_03.shtml
地球温暖化や環境破壊、資源の枯渇など、地球の現状や未来を悲観的に考える人が増えていますが、100年後の地球はどうなっていると思いますか?また、将来のために私たちにできることはありますか?

 100年後の世界の状況は、地球がいま直面している危機を、今後の数十年のうちに克服できるかどうかによって変わってくると、私は考えています。

 なぜかというと、いま私たちは、水産資源、エネルギー、森林など多くの点で、持続可能とは到底いえない道を歩んでいるからです。これから数十年のうちには、私たち自身が望んだとおりに問題を解決できるか、飢饉や戦争などで、私たちの決して望まなかった形で決着してしまうか、いずれかの結末が訪れるはずです。次の数十年を生き延びることができれば、100年後、私たちは明るい未来を迎えられるでしょう。100年後の地球の状態について、いまあれこれ考えるのは意味のないことです。まず、次の数十年を生き延びることを考えるべきです。



追記
ちょっと不正確な部分があったので、補足。
=====
本文中でちょっと使った田中優さんの話は正確ではありませんでした。
優さんは、地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか(2007年扶桑社新書)で、10年のうちに方向を転換しなければ、温暖化へのポジティブ・フィードバックが始まってしまって、取り返しがつかないことになると書かれています。
今後、数十年ではなく、この10年のうちに転換できるかどうかが問題だと書いています。
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銃・病原菌・鉄(上巻) ジャレド・ダイアモンド
本書は、なぜ民族によって手にした権力と富の程度が異なるのか、という疑問に対する回答を探っていくものです。 1万3000年の人類史を振り返り、分子生物学、進化生物学、生物地理学、考古学、文化人類学などから多角的に考察し、5つの大陸でどのように人類が歩んできたかを検証します。 注)忘れないように、記録を残しておこうという意図で書いていますので、ご了承ください。 ...続きを見る
くろにゃんこの読書日記
2009/03/08 18:52

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
TBありがとうございました。
インタビューの内容は、ゴア氏のノーベル賞受賞講演の内容と若干似ているところがありますね。
くろにゃんこ
URL
2009/03/08 18:58
くろにゃんこさま
コメントありがとう。
本文中でちょっと使った田中優さんの話は正確ではありませんでした。
優さんは、地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか(2007年扶桑社新書)で、10年のうちに方向を転換しなければ、温暖化へのポジティブ・フィードバックが始まってしまって、取り返しがつかないことになると書かれています。
今後、数十年ではなく、この10年のうちに転換できるかどうかが問題だと書いています。
tu-ta
2009/03/10 01:03

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