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zoom RSS 永遠の仔 読書メモ

<<   作成日時 : 2009/03/11 04:51   >>

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天童荒太という小説家の「悼む人」という本のことがテレビ番組になっていた。そういえば、この小説家の名前は連れの本棚で見たことがあると思い、聞いたら「知らない」という。
でも、見たような気がしたので探したらすぐ出てきたのがこの本「永遠の仔」(上下)。(蔵書は少ないんだけどね)
で、思わずこの長い小説を読んでしまった。

全編、「家族問題」という感じ。家族機能研究所のテキストになりそうな本。これでもかというくらい大人から虐待された子どもと彼女や彼が育った後のことが書かれている。虐待され、傷つけられ、壊された子どもたちのストーリーと呼ぶこともできるかもしれない。

この主題から、少し外れるかもしれないが、気になった部分をメモ
3人の主人公が再会したときの会話の中で主人公の一人が
「どうして法律は、虐待を軽く見る」と問う。
それに対して、弁護士になった主人公が答えるのだが、その中で、法律は加害者=大人(権力や暴力を充分にふるえるという意味で精神的な意味ではない)の男の立場や視点でできているという。やられた者の身になっていないというのだ。それは刑期が何年か伸びるかどうかの問題ではないともいう。
ちょっと引用してみる。
===
「受けた傷の、扱われ方の問題だ。どのくらいひどいことをされたのか、どのくらい怒ってもいいほど、貶められたのか……傷つけられた本人は、混乱していて、実際はよくわからない。人は忘れろと言う。相手は執行猶予か数年の罪、ときには起訴猶予かもしれない。本当に普通の人だったら忘れられる程度の傷なのか……大きな罰を与える必要もない、軽い傷だというのか……。だが、事実、自分は苦しんでいる。まともに息もつけず、幸せにほど遠い暮らしを送っている。自分のほうがおかしいのか、傷つけられた自分のほうが悪いのか……。 (中略) 自分ではいかれない子どもや、自分を責めてしまう被害者に代わり、社会がどれだけ本気で怒ってくれるのか……そのことが、大事なんだ。家族や身近な人間が怒ってくれることも大事だが、それができない家族もいる。家族が加害者の場合もある……。だからこそ、まず社会ってものに、おまえは悪くない、もっと怒ってもいいんだと、認めてもらえることで、傷から立ち直っていける場合もあるんじゃないのか」
(略)
「とすれば、与える罰そのものへの、新しいありかたを考える必要があるだろう」
「法改正ってことか」
「そうじゃない。視点の転換というのかな……。いまの加害者的な視点が変わらないかぎり、改正をしても、現在のシステムの延長に過ぎないだろう。つまり単純な罰則強化、適用対象の拡大といったことで終わるはずだ。 (中略) おまえが言うように、本当に必要なことが、被害者やその家族の救済、立ち直るための力づけだとしたら……その救済を、加害者にどう負担させるかってことが、求められるんじゃないのか。被害者の立ち直りに必要な助けに、加害者をどう参加させることが有効なのか……それを具体的に考えてゆくことじゃないのかな」
(少し長い略)
「結局は専門家の問題じゃない。裁判官は個々の好き嫌いで判断するのだとしても、あくまで一市民の価値観に照らし合わせたうえでの好き嫌いだとしたら……社会全体の拠って立つ視点が、<やられた側>からのものに変わったとき、初めて判決なり罰則なりも変わってくるんじゃないか……。もっとも社会がそんな形に変われば、いままでのような経済的な発展は望めなくなるだろう。<やられた側>のことなんて見ないようにして、どうにか発展してきたところもあるからな……。(以下略)」
===

刑罰システムの根本的な変革が求められているとぼくも思う。そのことが経済的な発展と連関するかどうかはわからない。
ともかく、現在のシステムは罪をおかした人間がその罪と向き合い反省するシステムにはなっていない。一定期間、自由を束縛することしか考えられていないように思う。本人が自分の犯した罪に向き合い、被害者の受けた傷を知り、その立ち直りに協力できるようなシステムの模索は米国などで始まっていると聞く。それは現在流れているような厳罰化重罰化ということとは違う話だと思う。






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