今日、考えたこと

アクセスカウンタ

zoom RSS 小熊<日本という国>読書メモ

<<   作成日時 : 2009/10/23 04:39   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 0

かなり前にどこかのフリマで購入した本。しばらく置きっぱなしにしていて、何かのついでに読んだのだが、それもかなり前だ。いつ読んだのかも覚えていない。
再び開いてパラパラめくってみた。
ブログを見ると、メモをつけていなかった。

ただ、http://tu-ta.at.webry.info/200801/article_4.html
に少し出てくる。
ここを読むと2007年に購入して、2008年の1月には読み終わっていない。

よりみちパンセという中学生でも読めるというコンセプトの本だが、これもなかなか面白かった。


メモしておきたくなったのが、松田道雄が1951年に書いた文章(孫引き)
===
 こんどの講和はけんかの仲直りというのではなく、乱暴者のおわびというべきものですから、乱暴をはたらいたものは、乱暴されたものに二度と乱暴をしないという誠意を示さねばなりません。大東亜戦争などといっていたように東亜の諸民族が一ばん迷惑したのですから、何よりそういう人たちにおわびしないことには、東亜の片すみに生きている我国としては近所づきあいがうまくいかぬでしょう。……
 ……何のうらみもない近隣の民族に乱暴をはたらいて自分だけがよくなろうとさもしい考え方をしたことが誤っていたとみとめるのが講和のたてまえでしょう。戦争はもうやらないと憲法にまで書いておきながら、講和をきっかけにその憲法をひっこめて軍隊をつくるようなことをすれば、我国民は人間としてゼロになるだけでなく、近所がおさまらないと思います。
 このことは小学校5年生の子供なら、もうわかるのではないでしょうか。読ませてみて下さい。
===

また、小熊さんはアジアからの戦後補償要求に日本政府が「外交的には解決済み」としている姿勢について、それがアジアの人々との関係においてプラスになるのか、ここでは判断は書かないと書きつつ、岡部一明さんの『日系アメリカ人 強制収用から戦後補償へ』という本の以下のようなくだりを引用している。
「過去に言語に絶する悪行を働きながら、反省するどころか、それをまともに覚えておらず、何くわぬ顔でまた(今度は札ビラを切って)侵入してくる人など不気味な存在以外の何物でもない。こんな人は、周囲にどんな関係もつくることができない」

小熊さん、評価書かないって書きながら、明確に評価を書いている。もちろん、この結論には賛成だけど・・・。

で、松田さんの文章も岡部さんの文章もとても明解だと思う。

また、その後で、シベリア抑留に関する日本政府の態度も紹介している。この問題について、1991年に日本政府は「1956年に放棄したのは国家間の賠償請求権であって、国民個人からの請求権まで放棄したのではない」と言っているという。これはご都合主義といわれてもやむをえないと小熊さんは書く。その通りだ。

また、靖国に関する説明も明解だ。
1972年の日中国交回復に関して、中国民衆から大きな不満がでて、それに対して周恩来首相は、一握りの軍国主義者と日本人民は違うという説明をして、中国の民衆の不満を抑えようとした。しかし、靖国神社は1978年になってA級戦犯を合祀する。このことが中国政府の建前をぶちこわした。だからこそ、中国政府は首相の靖国参拝には抗議せざるを得ない。
また、小熊さんは
===
「中国や韓国から抗議があるから、靖国参拝はよくない」という意見がおおい。それも大切なことだけれど、「日本という国」の国民の立場からしても、日本国民にぼう大な被害をもたらした責任者を祀った靖国神社に、首相や政治家が参拝するのがいいことなのか、考えてみてもいい問題だ。
===
とも書く。この結論もまた当然だと思う。しかし、そこにいたる文章での昭和天皇の戦争責任を免罪するような下りは不要だし、間違っていると思う。

さらに冷戦後、世界では兵力を縮小しているのに自衛隊は減らしていないという指摘も興味深いが、現状では中国の軍備増強という反論が寄せられるのだろう。

で、また、説明としてわかりやすいのが、世界中で米軍基地を縮小再編している中で、日本ではなぜほとんど現状維持、あるいは機能強化したりしているのか、という指摘に対する回答だ。それは米国内にいるより費用がかからないからだというもの。


この本の最後にはサンフランシスコ講和条約を前に丸山真男が書いた「病床からの感想」が引用してある。
===
今度の講和が、中国及びソ連を明白な仮想敵国とした向米一辺倒的講和であることを否定するものはなかろう。
 思えば明治維新によって、日本が東洋諸国のなかでひとりヨーロッパ帝国主義による植民地乃至半植民地化の悲運を免れて、アジア最初の近代国家として颯爽と登場したとき、日本はアジア全民族のホープとして仰がれた。……ところが、その後まもなく、日本はむしろヨーロッパ帝国主義の尻馬に乗り……ついにはそれを排除してアジア大陸への侵略の巨歩を進めて行ったのである。しかもその際、日本帝国の前に最も強力に立ちはだかり、その企図を挫折させた根本の力は、皮肉にも最初日本の勃興に鼓舞されて興った中国民族運動のエネルギーであった。つまり日本の悲劇の因は、アジアのホープからアジアの裏切者への急速な変貌のうちに胚胎していたのである。敗戦によって、明治初年の振り出しに逆戻りした日本は、アジアの裏切者としてデビューしようとするのであるか。私はそうした方向への結末を予想するにしのびない。
===



来年で日米安保条約の締結発効から50年。
ひどい方向がここまで来て、日本は海外派兵までするようになったが、日本の軍隊はラッキーなことにまだ外国で人を殺してはいない。最悪の事態は避けることができている。かなり飾り物になりつつある9条の成果でもあるのだが、もうそろそろ方向変換に向かう時期だろう。

このままの方向で進むことのきしみは明確だ。根本的な方向転換が準備される必要がある。日米安保の根本的な見直し、日本という国が取るべき政策について、いまのままの民主党ではこころもとない部分が多いが、そこに向けて何ができるのか、本気で考えたいと思う。

その場合の方向は、9条を条文どおり解釈する、9条を実現するという方向だとぼくは思う。その道もまた容易ではない。しかし、それは世界中で求められている道でもある。日本がその方向に本気で歩き出すとき、世界もまた変らざるをえなくなるはずだ。


(昼に誤字修正)



せられて、上記の記事が「面白いかも」って思ったら、この下にある「人気blogランキングへ」というのをクリックしてください。
人気blogランキングへ

クリックしてくれた人数のランキングです。クリックするとランキングのサイトに飛び、うんざりするような排外主義ブログのタイトルの山を見ることになります。こんなランキングに登録するバカバカしさを感じないわけでもないんですが、・・・
でも、クリックしてもらえるとうれしかったりもします。

人気blogランキングへ

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
在日米軍はなぜ減らない(小熊「日本という国」から)
岡田外務大臣が「県外移設は考えられない」とか言い出している。 民主党政権の馬脚が出てきたと見るべきか。 ...続きを見る
今日、考えたこと
2009/10/24 23:52
10月の読書メーター(まとめから転載)
先日も少し書いたが、最近嵌っている読書メーターにまとめページがあったので、掲載 読みやすい本が多いのが一目瞭然 ...続きを見る
今日、考えたこと
2009/11/09 03:23

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文

トップ頁の右上に広告が入るようになっちゃいました。それがいやな人はさらに追加してお金を払いなさいとのこと。というわけで、この広告クリックしないでください(なんて、けなげな抵抗)。==============ブログ内ウェブ検索

ブログ内 を検索
小熊<日本という国>読書メモ 今日、考えたこと/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる