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zoom RSS この世でいちばん大事な「カネ」の話 読書メモ

<<   作成日時 : 2009/10/18 00:16   >>

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大田区の図書館の貸し出しベストいくつとかいうページを偶然見ていて、気になったサイバラの本。PCを思わずクリックして予約して読んだ。本は1時間くらいで読める内容。

気になったっていうか、連れにも指摘されたのは以下の記述。
===
「カネについて口にするのははしたない」という教え・・・そういった「教え」を刷り込むことで、得をする誰かがいるんだろうか?
 いる、とわたしは思う。
 従業員が従順で、欲の張らない人たちばっかりだと、会社の経営者は喜ぶよね。175p
===
・・・そういう境遇に生まれて、そこからはいあがってきた人には、それぞれ血のにじむような思いでつかんだ「経験則」っていうものがある。そういう人には上っ面なきれいごとは、まず通用しないよね。
 それを「お金じゃない。人の心の豊かさ」なんて言い切ってしまうことが、どれだけ傲慢なことか。「いかにも正しそうなこと」の刷り込みが、どれだけ事実に対して人の目をつぶらせ、人を無知にさせるのか。 178-9p
===

というようなことを書いているが、サイバラはお金がすべてだと言っているわけではない。そのあたりの微妙なバランス感覚がいいと思う。
===
 競争社会から落ちこぼれたっていい。日本を出ちゃっても、ぜんぜん、かまわない。いまいるところがあまりにも苦しいのであれば、そこから逃げちゃえ!
「いくらがんばっても、どうにもならない」ってことを知ることは、とても大事なことだと思う。あまりにも疲れてしまっているのなら、ちゃんと休む。
 心と体を休めて、ちゃんとものごとが考えられるようになってから「じゃあ、これからどうしたらいいんだろう」って自分とじっくり向き合えばいい。193p
===
と、自分のこどもが何もかもつらいようなら、こんな風にいうとサイバラは書いている。みんながこんな風にできればいいと思うし、こんな風にできる余地は本人はないと思い込んでいる以上に、探せば可能性は多いはずだ。サイバラのような母親がいなくても、そんなにお金をかけなくても、休める空間はあるはず。だけど、現実にはそれを見つけるのはなかなか難しい。そのあたりが問題なんだと思う。そんな風に追いつめられた人が出会える休む場所がもっと必要なんだと思う。

で、この章の全ての左ページのフッダに
===
自分探しの迷路は、「カネ」という視点を持てば、ぶっちぎれる。
===
と書いてある。これ、面白いと思ったんだけど、よく見ると、これ、この章のタイトルだった。
で、この章の結語近くでサイバラは
ストレスが多いがお金になる仕事と、ストレスは少ないけれどもあまりお金にならない仕事があって、<このふたつの「あいだ」に自分の落としどころを探してみたらどうだろう>という。

確かにかなり現実的なアドバイスだと思う。ただ、最近はストレスも多いし、お金にもならない仕事も多いっていうか、職安でみつかるのはそういう仕事がほとんどで、かなり注意深く探さないと落としどころはなさそうなので、そのあたりは気をつける必要があると思う。

で、次の最終章のタイトルは
===
外に出て行くこと。
「カネ」の向こう側へ
行こうとすること。
===

で、この章の扉の裏にはゴシックでこんなことが書いてある。
===
人が人であること。
人が人であることをやめないこと。
貧しさのループを越えた向こう側に、
人は行くことができるんだろうか。
===


サイバラはカンボジアのダンプサイトで生活する少女の話を書いて、でも、その家族のところにごはんを食べられない子が来たら、そのこにも食べさせてあげるアジアの家族を書きながら、その少女のことをこんな風に書く。
===
「大人になったら看護婦さんになりたい」って言う。だけど、なれる可能性はほとんどない。彼女がごみの山から抜け出せる日は、たぶん、こない。
===
そういう負のループの外にでられない現実、そして、そこでは「希望」を持つことさえもつらくなって、その劣悪な環境を受け入れてしまう、そんな現実を書いた後で、それでも希望を書く。

で、その例としてグラミンバンクを紹介する。ぼくはマイクロクレジット全体を否定するわけじゃないけれども、ここで「落としどころはそこか」と思ってしまう。
確かにマイクロクレジットで這い上がることに成功した稀有な例はあると思う。そういう意味で、それに益がないとは言わないけれども、たぶんそれは例外だ。そして、マイクロクレジットがもたらす悲劇はたぶんその成功事例よりも多いかもしれないと思う。

ぼくがその問題に落としどころを探すとしたら、やはりどうして都市のスラムやダンプサイトに来て、働かざるをえなかったのか、という問題にアプローチするのがいいと思う。その多くは農村で食えないからだ。だとしたら、農村でそれなりに食えて、尊厳を持って生きられる環境をどう作るかっていうことが「落としどころ」になるんじゃないか。確かにその道もまた容易ではないが、ブラジルの土地なし農民運動(MST)の取り組みだけじゃなくて、他のヴィア・カンペンシーナの取り組みで参照できる話は多いと思う。


そして、この本の「おわりに」の結語部分でサイバラは
===
毎日、毎日、働くことがわたしの「祈り」なのよ
===
と書く。

それに続けて、こんな風に書いている。
===
 どんなに煮詰まってつらいときでも、大好きな人に裏切られて落ち込んでいるときでも、働いていれば、そのうちどうにか出口って見えるものなんだよ。
 働くことが希望になる――。
 人は、みな、そうあってほしい。これはわたしの切なる願いでもある。

 覚えておいて、
 どんなときでも、働くこと、働き続けることが「希望」になる、っていうことを。
 ときには、休んでもいい。
 でも、自分から外に出て、手足を動かして、心で感じることだけは、諦めないで。
 これが、わたしの、たったひとつの「説法」です。
 人が人であることをやめないために、人は働くんだよ。
 働くことが、生きることなんだよ。
 どうか、それを忘れないで。
    2008年11月 西原理恵子
===


ベーシック・インカム(BI)の論議で働かなくても生きていけるということにかなり引きつけられつつあった「働く主義者」のぼくを勇気づけるサイバラの結語。
やっぱり「働く」っていうことをもっと広く考えたらいいと思う。ALSでロックトインステイトにある人にとって、そこに行き続けることが「働く」ということだ、って考えたら、「働く」という概念はすごく広くなるはずだ。もう、それは無限の広がりをもつと言ってもいい。

そんな考え方とBIを結びつけることはできないだろうか、と思う。








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