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zoom RSS 『自然に学ぶ粋なテクノロジー』メモ(その3)

<<   作成日時 : 2011/05/01 09:36   >>

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http://tu-ta.at.webry.info/201104/article_10.html

http://tu-ta.at.webry.info/201104/article_12.html
の続き



この先で、テクノロジーへの二つの扉として
1、アカデミック・アドバンテージ
2、ナチュラル・アドバンテージ
というのがでてくる。ちょっと興味深いが説明を書くと長くなるので略。

また、産業革命がいままでに2回あり、それらは「文明崩壊の危機を人類の欲望をリバウンドとして回避した」71pという指摘も興味深いが、これも略。

そして、著者は第三次産業革命の必要を説く。そして、これは第三次「環境」革命でもある、と書く。環境革命というのは理解できるが、どうしてそれが産業革命と同様の第三次なのかはわからない。

ともあれ、その第三次産業革命は、
===
・・・今まで危機を乗り越えてきた源でもあった欲望を逆にコントロールしなければならないという、人類史上はじめての試練ともいえる。「テクノロジーのパラダイムシフト」と「人の心」の融合という、従来とはまったく異なるアプローチ、あたらしいテクノロジー観を生み出せるかどうかにかかっているのである。・・ 71-72p
===
という。

これを例のマックス・ヴェーバーの「転轍機」の話とあわせて、考えたらどうなるだろう。そういう意味では《「テクノロジーのパラダイムシフト」と「人の心」の融合》という言い方は、もう少し詰めていく必要があるように思う。もちろん、その方向性は共有できるのだが。

ヴェーバーがいうように、基本的なところで、「利害が人を動かす」という部分は動かないと思う。問題は何を「利害」として認識できるかという話ではないだろうか。地球環境の人間にとっての劣悪化を防ぐことを自らの利害と感じることができるかどうか。そして、ヴェーバーがいう「転轍機」の方向を変えることのために、いま、何が必要なのか。

それに加えて、著者が主張しているようにテクノロジーの向かう方向も変える必要があるのだと思う。このパラダイムシフトの話をヴェーバーの転轍機の話につなげるアイデアはけっこういけるんじゃないかと思うのだが、どうだろう。


あと、以下の指摘を企業出身の人が言っているところがぼくは鋭いと思う。活動家では常識で、少なくない研究者が言ってる話だけど。
===
20%の豊かな人のためだけのテクノロジーが、地球全体を巻き込む環境問題を起こしたのである。これから創出しなければならない生命文明が、今、2%の富しか分配を受けていない人たちにとっても望ましい文明であることを明らかにし、地下資源文明と生命文明が二項対立することなく、どうしたら漸次移行できるのか、考えなくてはならない。それこそが、第三次産業革命であり、…従来の産業構造を越えたあたらしい社会構造を有し、自然と太陽の恵みを活かし、生きることを楽しむ生命文明創出への入口なのである。
===

この北と南の視点、欠かすことができないものであるにも関わらず、環境を語る多くの企業人だけでなく、NGOや研究者も沈黙している場合が少なくないように感じる。ここを明確に強調する著者のスタイルは好きだ。

ただ、この「二項対立することなく、どうしたら漸次移行できるのか」というのが気になる。著者はこれをこの本で二項対立として書いているのだと思ってここまで読んできたからだ。二項対立的な関係だけれども、現実的には漸次移行していくしかないということだとぼくは思う。


第4章の冒頭部分の以下の記述も興味深い。
===
 本書では、人間にとっての地球環境問題だけに焦点を当てるが、この地球環境問題は決して地球温暖化など特定の現象に限って議論すべきではない。地球環境問題とは、加速度的に拡大する人間活動が引き起こすリスクなのである。そのリスクとは…資源・エネルギー…水や食料の分配…人口増大…気候変動…。…地球温暖化問題とは…環境劣化のインジケーターと位置づけたほうがわかりやすいかもしれない。79-80p
===

さらに、
1、インプットの増加によるアウトプットの拡大が地球の修復能力を超え、修復能力が低下し、負荷が増大し
2、必要とされる非再生のインプット絶対量が急速に減衰し、現在の産業構造を維持することができなくなる
この『二重制約の中にある地球環境問題』という著者の捕らえ方(81-82p)もまた、わかりやすく適格だと思う。

著者はこの二重制約を理解したパラダイムシフトが構築できるかどうかが鍵だと主張する。83p

これに加えて、原発事故による放射能汚染などの問題もあるわけだ。

===
86pのイラストのキャプション
生物多様性が毎年つくってくれる利子だけでは食ってゆけず、元本にまで手をつけてしまった人類。元本が減れば利子は減り、さらに元手を食って……際限のない負のスパイラルに入ってしまった……。
===


次に興味深かったのが
ポイント・オブ・ノー・リターン
という指摘。

著者は「地球温暖化とは、単に地球が暖かくなることではない。それは地球崩壊への道なのである。」とした上で、以下のように書く。
===
 2006年10月に公開されたスターン報告書…この10年〜20年間の投資が21世紀後半から22世紀の気候を左右する。
 IPCCのパチャウリ議長は2007年4月の記者会見で、「気候変動の影響をもっとも強く受けるのは貧しい人びとだ。気候変動と貧困問題とを関連づけて考える必要がある」と警告した。地球温暖化問題は、人類がいかに発展すべきかの根本的な命題なのである。それには、どうやら、2030年ごろまでが勝負のようである。…93-93p
===

同様のことは田中優さんが『地球温暖化/人類滅亡の危機は回避できるか』という扶桑社新書にあと20年ではなく、あと10年と書いている。


そういえば、田中優さん、
http://www.earth-garden.jp/magazine/11043/
に掲載している講演で、自分は活動家だと断言している。
この言い切り、すごくいいと思う。必要なのは研究のための研究ではなく、実際に危機を回避することだ。
すごい活動家だ、とは思う。

いろいろ批判もある。批判が正しいと感じることもあるけど。





今回の読書メモもとりあえず、ここまで。

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『自然に学ぶ粋なテクノロジー』メモ たくさん書いていたので、目次をつくってみた。3年も前に読んだ本なのだけど。 ...続きを見る
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