今日、考えたこと

アクセスカウンタ

zoom RSS 『福島を生きる人びと』メモ

<<   作成日時 : 2014/06/12 22:06   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

「福島を生きる人びと」豊田直巳著(フォト・ルポルタージュ、岩波ブックレット2014年3月)

友人の豊田直巳(少しだけ先輩)の著書。かなり前に購入していたのだが、ようやく読んだ。岩波ブックレットでの福島に関するフォト・ルポルタージュは2冊目。(前作は「福島 原発震災のまち」)
「おわりに」によると、これら2冊とドキュメンタリー映画「遺言ーー原発さえなければ」と「姉妹をなす」とのこと。

「編集部からのメッセージ」という文章が岩波のサイトにあり、それが簡潔なこのブックレットの紹介になっている。。
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2708930/top.html



タイトルは「福島を生きる人びと」だが、第1章に書かれている福島への無策に殺された(生きていない)人びとの記録が非常に印象に残る。

原発事故で避難を余儀なくされた複数の自殺の経過や身近な人の証言が紹介されている。なぜ、彼や彼女が自死を選ばざるを得なかったのか、単純に語ることはできない自死だが、その無念などが立体的に見えてくる。

66〜67pの避難できない母親の心情、避難したいという思いはありつつも、避難できない、そして、福島県外からの「どうして避難しないのか」という「善意」の助言が彼女を苦しめる。

73p〜は「除染」をめぐる問題。
豊田は以下のように書く。
巨額の税金が投入され続け、除染事業だけが他の被災者支援に優先されていく。その構図は、かつて「無駄な公共事業」として批判を浴びたダム建設や道路工事などと、本質において変わらない。74p
フェイスブック上で以前、豊田とやりとりをしたことがあるのだが、この除染の公的な獲得目標はどうなっているのだろうと思う。このブックレットを読むと、巨額の費用が投入されているにもかかわらず、その実効性が非常に薄い現実が浮かび上がってくる。このような事業にこそ、ちゃんと「事業仕分け」が必要なのではないか。それを実行している側ができないのであれば、民間で行うことはできないのだろうか、と思った。少なくとも、除染の実効性をきっちり問うというようなことをマスメディアや研究機関にはちゃんとやって欲しい。


そして、75pからの「原発事故は何を奪ったのか」という節の結語では以下のように書かれている。
・・・。そこでの暮らし、人が悲しんだり、喜んだりしながら、日々営んできた生活そのものが根こそぎ奪われたのだ。そして、その結果、第1章でみたような命の犠牲も生じさせてきた。土地を除染して、人びとを帰還させる政策は、原発事故が人びとから「何を奪ったのか」という本質を見えなくさせているとしか思えない。76p


帰還したい人びとが存在するのは間違いない。それはこの本で紹介されているアンケートでも明らかだ。その声を無視していいとも思えない。急ぎたいという心情も理解できないわけではない。しかし、ここで書かれているように現在進められているその性急なプロセスは非常に危うそうだ。川内村の「帰村宣言」の問題も紹介されている。上にも書いたように、現在の除染は非常に問題が多そうな感じがあるのは否めない。

そう、帰還という話で言えば、大友良英さんの『シャッター商店街と線量計』で猪飼周平さんが言っているように政策を50年単位で考えることが必要なのかもしれないと感じた。

反原発運動内部にある福島で生活し、福島のものを食べることについての深い亀裂。これは非常に悲しい話だと感じる。そこを埋めようと努力している人たちがぼくの希望をつなぎとめてくれる。政府の発表から距離を置き、注意深く、時間をゆっくりかけ、両者が内在的な理解を求めるような対話が求められているのだろう。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文

トップ頁の右上に広告が入るようになっちゃいました。それがいやな人はさらに追加してお金を払いなさいとのこと。というわけで、この広告クリックしないでください(なんて、けなげな抵抗)。==============ブログ内ウェブ検索

ブログ内 を検索
『福島を生きる人びと』メモ 今日、考えたこと/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる