『速く考えが伝わる』って考えなんか、速く伝わらなくたっていい

 昨日、PP研で社会を変える主体は誰なのか、ピープルネスとは何なのか、とかいうような話をしていた。そんな話を主に聞いて、ときには話しに加わりながら、思い出したのが以下の話だった。

 こういうことって、あるなぁと思う。ぼくもときどき難しい言葉を使ったりすることもある。とりわけ、アカデミズムの世界の人は難しい言葉が好きだし、左翼業界の中にも、いまや仲間うちでしか通じなくなった言葉を使う人がいて、そういう人と話すときは、その手のジャーゴンを使いながら、あっ、このジャーゴンっていうのがその手の言葉のひとつだね、そう、仲間うちでしか通じないわけのわからない言葉を使いながら話しているている。そして、職場では競馬やスポーツの話をする。

 昨日思い出した以下の話をタイプしておこう。




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 「……難しい説明用語が好きな人たちは、『いや、仲間うちで話すときに、短い言葉で速く考えが伝わるから、便利なんだよ』とか言う。で、そういう人たちを見ていると、結局仲間うちでしか話をしていない!電車で隣り合わせた人に、『ひどい世の中ですよねえ』と簡単な言葉で話しかける語彙を持っていないから、『まあ、難しい話はやめとこう』と思って、『普通の人』とは、話を合わせてスポーツのことなんか話してる。」

 「しかも、『速く考えが伝わる』って考えなんか、速く伝わらなくたっていい。『速く、速く』は、灰色のやり方だよ。ゆっくりでいいから、本気で話してよ、って思う。一語一語、心をこめて話してよ、って思う。」

 「だいたい」とうさぎ。「『普通の人』を前にして、『この人は難しいことはわからないだろうから、スポーツの話でもしよう』って態度が見下してる。人なんかみんな、ただの人。意味があることを言っていれば、誰でもわかる。…。」

 「で、社会ってみんなで出来てる。それなのに、何で社会について話す時に、『仲間うちで便利な言葉』を使うんだ?そんな言葉を使っていたら、話す相手が限られる。そして、ぜんぜん現実と離れてくる。現実を見ることもなくなる。灰色の思う壺だよ。」

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そこでも引用した以下の部分のあとに出てくる話だ。


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 「社会について、賢い人たちが、難しそうな題で、難しそうな文章を書く。難しい言葉を知っているんだと思う。そんなのはわかっているから、示さなくてもいいよ。もし、そんなに難しい言葉が良くわかっているんなら、あたしたちみたいな人にもわかる言葉で文章を書いておくれよ。そうじゃなかったら、きっと本当は、世の中なんてどうでもいいと思っているんだよ。」

「意味があることは、簡単な言葉で言っても、意味があるし、面白い。社会に対して本気なら、難しい言葉を使う前に、『待てよ、本当にこの難しい言葉を使わないと説明できないのかな?』と考えてみればいい。他の言い方がないか、探してみればいい。『ハビトゥス』とか『関係性』とか『マルクス主義史観』とか『弁証法的』とか、肝心の言いたいことが、わからないよ!少なくともあたしには、何を言ってるのかさっぱりわからない。

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  こういう話は、これからときどき思い出すことにしようと思う。






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