障害の社会モデルと障害者就労支援 そしてIPSモデルの就労支援について(追記あり)

SNSにこんなことを書いた。
本人のスキルアップにしか目を向けない障害者就労支援ってダメな就労支援だと思う。
力のある就労支援は就労先の環境を変えるほうにも目を向ける。
そして、こんなことも書いた。これは障害の社会モデル視点を持った就労支援と呼んでもいいと思う。
障害者の就労支援に社会モデルと個人モデルという視点を入れると、いろいろ見えてくるものがあるのではないか?
そこにIPSモデルの就労移行支援と就労準備性を重視する就労支援の対比の視点も
ちょっと説明を書きたくなった。
就労支援におけるIPSっていうのは、以下の説明がわかりやすいかもしれない。
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/h19-2/html/5_6_9.html から
少し引用する。

(1)IPSとは

IPS(Individual Placement and Support。以下「IPS」という。)とは,米国で1990年代前半に開発された就労支援モデルであり,数多くの無作為化比較研究が行われ,一般就労率の向上などの有効性が実証されており,近年注目されている科学的根拠に基づく実践(EBP:Evidence Based Practice。以下「EBP」という。)の一つである。EBPとは,科学的に効果的であると証明された事実や根拠に基づいた援助プログラムである。

わが国においては,2005年より千葉県市川市国府台地区において日本版IPS(IPS-J)が開始されている。近年,東京や愛媛でもIPSを志向した取組が開始されつつある。

IPSでは,就労は治療的効果があり,ノーマライゼーションをもたらすと考えられている。IPSの最終目標は,リカバリーである。つまり,重い精神障害を持つ人々が,生活の自立度を高め,精神保健が提供するサービスへの依存を減らしていくことである。精神障害を持つ多くの人々は,自立度が高まるに従って,自尊心が高くなり,症状に対する理解が深まり,症状に対応し,生活全般に満足感を覚えるようになる。働くことが,多くの場合,これを達成する手段となる。

上記の説明にちょっと違和感があるのは、必ずしも「重い精神障害を持つ人々」に限った話ではなく、さまざまな人に適用できる就労支援のプログラムだと思う。まあ、このサイトの性格上、そうなっているだけかもしれない。

以下の原則がある。(これにはいくつかの翻訳のバージョンがあって、この翻訳より適切なものもあったような気がするが、とりあえず、同じサイトから。気になる人は自分で探して欲しい)

IPSの基本原則
症状が重いことを理由に就労支援の対象外としない
就労支援の専門家と医療保健の専門家でチームを作る
職探しは,本人の興味や好みに基づく
保護的就労ではなく,一般就労をゴールとする
生活保護や障害年金などの経済的な相談に関するサービスを提供する
働きたいと本人が希望したら,迅速に就労支援サービスを提供する
職業後のサポートは継続的に行う
ぼくは二つ目の「専門家のチーム」という部分は、あればいいとは思うものの、そんなに重要じゃないような気がする。少なくとも、日本で、精神医療の専門家はほとんど使えないような気がする。ぼくが伝え聞いた医療の専門家の多くは、本人のエンパワメントに興味がなさそうで、5分の診療と薬を処方して、それでよしとしているようにも見える。そんな人とチームを作ってもろくなことはない。(ちなみに、エンパワメントにもいろんな解釈があるので、ここでは https://tu-ta.at.webry.info/201703/article_7.html 参照)
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従来型の障害者就労支援は就労準備性のピラミッド
みたいなものが重視されて、それが準備できなければ就労できないみたいなことさえ言う事業所もあった。
そこからの根本的な転換が求められているのだと思う。もちろん、まったく無視はできないが、それだけ言っているのではお話にならないと思うのだった。そうじゃなくて、本人がどうしたいか、それを軸にして、環境側を作っていく視点が大切だと思う。

で、はIndividual Placement and Support なので、かっちり個人に着目した個人モデルか、とも思える部分もあるんだが、そのあたりに社会モデルと個人モデルを使い分ける妙があるような気がしている。
個人の希望にきっちりとよりそったうえで、その希望を実現するとき、負担を個人に求めるのではなく、社会に求める、というものだ。

ちなみに、このIPSの具体的な適用については
https://visst.co.jp/lp/yokohama/2020_1/
に掲載している、ここの就労移行の宣伝のサイトはわかりやすいが、ここに社会モデル視点が薄いのが難点。

本人にあわせた環境を企業にも求めていくという視点をこれに入れることが大切なのだと思う。

障害の社会モデル視点を軸に置きつつ、IPSモデルを援用するという就労支援が求められているのではないか。

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「IPS」と「就労支援」という二語で検索すると、いくつもの障害者就労支援としてのIPSの説明が出てくる。 それらに足りないのが、そのベースにエンパワメントがあることが書かれていないことではないかと感じた。IPSのベースにエンパワメントがあるはずというのは、文献などで確認したわけではないぼくの直感だが、やはり、それはエンパワメント(以下に参照する森田ゆりさんの説明による)がなければ成り立ち得ないのではないかと思えてならない。

森田ゆりさんが教えてくれたエンパワメントのぼくなりの説明は
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